KENGO's memo

日々の思考の備忘録、ドイツ、カールスルーエ研究留学・インターン体験記

Decemberはハプニングの月

12月に入り、寒さが一層厳しくなりました。年の瀬で、結構いろんなことがありバタバタしていて、何をしていたかあんまり思い出せなかったのですが、手帳を見ながら振り返っていたら結構ハプニング尽くしの1か月だったなあと思います。

研究

内容的には11月の延長で特に変わったことはしてなかった印象。ひたすらサンプルを分析にかけ、連続反応させている触媒の実験で扱っている実験装置の状態を毎日、定期的に確認し、状態が良くなければ調整、帰るときには反応を一時的に止めた状態にして帰宅するというルーティンをこなしていました。

詳細に分析するところは別の研究ユニットの人に頼んでいたので、新しい結果が届いたりしましたが、特に面白い発見はありませんでした。今後も同じような展開が続きそうです。

作業系はほぼルーティン化してきたので、作業しない時のオフィスワークが結構大事になっていると思うので、論文を読むことはもちろんのこと、研究分野の触媒技術の細部だけでなく、触媒以外のほかのガス精製技術の比較、バイオマスガス化プラント全体の技術・コスト、アジア市場の需要動向などバイオマスガス化の全体が見渡せるようになっていたいですね。

 

生活

12月に起こったプライベートでの内容をだらっとフラッシュバック!

クリスマスマーケット遠征(シュツットガルト、エスリンゲン)

12月4日。詳しくはリンク先で紹介しています。近場で行けてとっても良かった。

 

・ドイツの銀行口座の開設チャレンジ

12月5日。ドイツでは日本と違って銀行口座を作ると、口座維持手数料として毎月数€を払わないといけないんです。「学生」であることが証明できれば、口座維持手数料は無料になることが多いらしいですが、自分の場合は残念ながら学生の身分ではないので、口座を作るのに余計な手数料はかけたくない!

ということで口座維持手数料がかからないComdirectというネットバンキングの申請を行いました。他にも無店舗型のネットバンクはあります。詳しくは参考のリンク先を見てください。口座維持手数料がかかるのは店舗を構えている銀行が多い一方で、ネットバンクはほとんど手数料はかかりません。作った上で口座を使わなくてもいいのが気持ちとしては楽です。

そもそも、銀行口座が必要になったのは、スポーツジムに通おうと考えて入会の手続きを聞いたことからはじまりました。月々のジムの利用料は銀行口座から引かれるらしく、銀行口座を持っていない者は入会できないと言われました。おい、なんでやねん!

それ以外に銀行口座が必要になる場面には出くわしていないのですが(家賃は現金手渡しだし…)、ジムの入会以外にもこういう理不尽なこと起こりそうだなってことでとりあえず申請することにしたわけです。実を言うと。

で、ネット上で申請が終わった後、自分が記入した内容が印刷された書類が1週間以内にComdirectから送られてきます。(or 自身で申請時に書類を印刷することも可能)

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こんな感じの書類が一式。ちなみにドイツ語で書かれているので内容は全く分かりません。念のためドイツ語ができる友人に確認してもらったあとに次のステップに移りました。(一緒に届く書類の中にも手順が記されています)

届いた書類と個人確認ができるもの(パスポートとか)を持って郵便局に行き、個人確認ができれば、郵便局のスタッフに受理され、無料でその書類をComdirectのほうに送ってくれます。

 

ここで僕はつまずきました。

 

残念なことに唯一持っている、そして一番強いであろう個人確認のパスポートが使えませんでした。理由は「出生地が確認できないから」の一点です。そうなんです。日本のパスポートには「本籍地 Registered Domicile」しか示されていないんです。他の国のパスポートには確実に示されているものなのに…訪れた郵便局のスタッフに「日本では出生地の情報はあまり重要でないし、本籍地と出生地は同じもんだからお願いしますぅ」と懇願したものの受理されませんでした。

なのでいまだに銀行口座を作れないでいます。緊急に必要な状況ではないのですが、急に必要になるときが来そうで、早く手を打たなくてはいけないと思っています。

【参考】

DJ-Finanz ドイツのネットバンク比較

 

大惨事、ドイツでの散髪&パーマ

 12月9日。これに関しては書いていたら長くなってしまったので、別のエントリーでみっちり書いています。3か月伸びた髪が陰毛の塊ヘアーになるまでをお届けします。

 

カールスルーエ日本人会飲み

ちょうど僕の髪型が陰毛の塊みたいになった日の夜に、カールスルーエにいる日本人の人たちで飲み会をしました。KITの博士課程、ポスドクの人に囲まれて、けっこうくだらない話ばかりして盛り上がりました。中だるみしだして緩んでいた研究のモチベーションがちょっとだけ上がりました。 

 

・ZKMにはじめていく

12月10日。カールスルーエのシンボル的施設、ZKM(Zentrum für Kunst und Medientechnologie)にルームメイトのウズベキスタン人のヨハン君と行ってきました。

メディアアート現代アートが楽しめるということで行ってみたのですが、この施設は複数の展覧会が同時に開催できるほど大きな規模であって、建物ごと、その建物の中でもフロアごとに違う展覧会をしているのが興味深かったです。自分が行った時も、計4つの企画展を見ることが出来ました。(常設展がどれなのかちょっと分からなかった)

ドイツの建築家のフライ・オットーのThinking by Modelingという企画展では、テントのような膜構造を多様に用いた万博やミュンヘン五輪での建造物の記録であったり、膜構造の発想に至るまでの試行錯誤の記録、膜構造を構成する梁やガラス、設計された建造物のミニチュアの展示などがありました。建築が専門の人だったらかなり興奮するような内容だったと思います。

ほかには、あまりにも現代アートすぎて良くわからなかったやつと、1945年から1968年のヨーロッパのアート集めたやつとか、ゲームの企画展もありました。昔のゲームから最新のゲーム、チームラボを彷彿させるようなインタラクションゲームに至るまでとても楽しい内容でした。

 

・KITでクリスマスパーティー

12月15日には、自分が所属している研究所のクリスマスパーティーがありました。14時ごろから今年一年の研究所での出来事・進捗、大学組織の中で変わったこと(諸連絡?)などのプレゼンが1時間ほどあり、そのあといつもセミナーを行っている建物でクリスマスパーティーが開かれました。

ホットワインとおかしをつまみながら雑談。17時ごろからはビュッフェ形式のご飯、ビールが出てきました。研究所のメンツでもユニットごとにテーブルが勝手に分かれて固まってしまっていて、新しく知り合いになる人もおらず、周りは全員30歳以上、雑談も基本ドイツ語なので入っていけないもどかしさを噛みしめていました。

英語で雑談するのは苦手なわけではないのですが、英語での雑談以上に、年上の人たちとの距離の詰め方がつかめないので、研究所の同じユニットの中ではあまり話さないキャラになってしまっています。(日本語であっても向こうから来てくれないと結構難しいところ…)

クリスマスパーティー」と言っても、日本で言うと、「忘年会」に近い感じを受けました。もちろんプレゼント交換とかもないです(笑)

この日を境に、みんなの研究活動が徐々に止まっていくのが分かりました。まあ、研究の内容的にも2~4週間で活動することを考えると当たり前なことのように思います。

自分も実験室でなく、オフィスにいる時間が増えたので、インターン先の候補の企業の情報を集めたりしていました。

 

・ビザ(residence permit)の申請書類提出

12月19日。ビザなし滞在期間あと10日のギリギリでようやく外国人局でビザの申請書類を提出&申請費用100€を支払ってきました。予約しないと外国人局でのビザ申請ができないと知ったのが11月中旬ごろ。その時点で予約状況はパンパンで12月19日が最速でした。本当に危なかった。

申請書類を提出しさえすれば、紙状の仮ビザをもらえます。自分の場合は6か月先までの有効期限を有した仮ビザを発効してもらえました。パスポートとともに所持し、ビザの有無を聞かれた場合はそれを見せればいいというわけです。安心して年末年始の旅行に出ることができました。(結局のところ、年末年始の旅行でビザの有無を聞かれる場面には遭遇しなかったですが。EUすげえ。)

ビザ取得に至るまでの話は、また別のエントリーに書くことにします。

 

・オーロラ撮影のためにカメラ購入

かねてからオーロラを見たかった僕は、それを写真に収めたいと考えていたので、クリスマスのバーゲンにつられてカメラの購入を検討しだしました。どうせ、年末年始に北欧とイタリアに旅行に行くし、もうこの際買ってしまえということで、カメラのあれこれを調べ、かさばらず、それでいてオーロラが取れるSony Cybershot DSC-RX100を購入しました。

RX100はレンズの絞り値(F値)が1.8を有している唯一のコンデジで、値段も一眼やミラーレスに比べても安かったのと、自分がいま持っているコンデジも故障が続いていたのが相まって、購入を決断。その日に旅行者向けの三脚も購入。(三脚がないとオーロラは撮りづらいらしい)

さっそく年末年始の旅行で活躍するのですが、購入後1週間程経った12月31日にベネチアの石畳に落として壊すという、厄年が終わる最後の日に溜め込んでいた厄年パワーを発揮し、無駄な出費を重ねるのでした。おしまい。

RX100は現在修理中。オーロラを見るのにアイスランドに行くことも計画中。

 

・年末年始旅行 with 出身大学メンツ

12月26日から1月3日までの9日間、北欧はフィンランドスウェーデン、そしてイタリアと年末年始旅行に行きました。

この旅のポイントは、留学中の同じ日本の大学の学生だけで回ったということ。北欧の期間は、学部の同期と3人で巡り、イタリアは先輩たちと3人と巡りました。意外とつながる留学中のネットワーク(笑)そして日本語が話せる楽さ。同時に同じ留学生の身でありつつ、それぞれがそれぞれの留学先でやっていることの話に、とても刺激を受けて、新年から頑張るぞという意識が強くなりました。

どの場所も行ったことがない場所で、特に、「初の海外年越し in ベネチア」は最高の思い出になるだろうなと計画段階からワクワクしっぱなしでした。

でも、なにより思い出に残っているのはフィンランドでの「サウナ体験」でした。

「サウナ」自体には親しみがあるものの、本場のサウナを知らないのはもったいないということでフィンランドへ出発する前に急遽行くことを決断。皆に「一応水着持って着といてね!」と伝えつつ、公衆サウナがあるかどうかを調べ、タンペレで公衆サウナに行く計画に。(ヘルシンキにも公衆サウナはありますが、運悪く自分たちのスケジュールに合わなかったので断念しました。)

サウナであったまった身体を、外気温-2度、冷たい風が吹き荒れるなか、水温1度の湖に体を沈めに行き、再びサウナに戻るというクレイジーな体験は、自分のなかの「サウナ」の概念を確実に変えました。

4回ぐらいサウナと湖を往復し、帰るころには皮膚の表面は確かに冷たいと感じるのに、内側に熱がたまっている不思議な感覚がありました。

この日を境にして1週間ぐらいは本当に寒さに強くなりました。寒いと感じるのは表面だけで芯まで冷えることがなくなりました。サウナパワー恐るべし。これからハマりそうです。

結果的に良くも悪くもたくさんの思い出ができたのでとってもハッピー。iPhoneが教えてくれたのですが、この9日間毎日平均13km、トータル126kmも歩いていたことに驚きました。(歩きすぎだろ(笑))

フィンランド編、スウェーデン編、イタリア編で忘れないうちに綴りたいと思うところです。

 

それではまた!!

 

KENGO