KENGO's memo

日々の思考の備忘録、ドイツ、カールスルーエ研究留学・インターン体験記

年末年始旅行④ フィンランド編最終日

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。フィンランド3日間の最終日を振り返ります。

最終日はヘルシンキ

初めての本場のサウナ体験をして、タンペレでの1日を満喫した翌日。フィンランドは最終日になりました。

タンペレを出て、電車で1時間半、昼前にヘルシンキに着きました。ヘルシンキに戻ってから、16時半のスウェーデンストックホルム行きの船の乗船時間まで、1日目に行きそびれていた場所を観光することに。

行きそびれていたのは、カンピ礼拝堂、岩の教会(テンッペリアウキオ教会)、そしてロシア正教ウスペンスキー寺院。そして一緒に旅行していた友達が「おいしいと噂のやつ!」と調べていたのに食べそびれていたKANNISTON LEIPOMOのシナモンロールを食べに行きました。

たまご型の空間(カンピ礼拝堂 Kampin Kappeli)

事前に調べていた情報サイトでは「カンッピ教会」とか書かれてたりしましたが、その場でもらったパンフレットには「カンピ礼拝堂」と書かれてありました。ドイツ発祥のプロテスタントルター派の「礼拝堂」らしいのですが、そもそも「教会」と「礼拝堂」の違いが分からなかったので、調べてみました。

(知っておきたい宗教雑学①)

「教会」―― 宗教を同じくし、その教えを守り伝えようとする人々の団体。また、その教えを述べ、礼拝儀式を行うための建物。ただし、宗教活動の拠点となる建物・施設の場合は、「聖堂」や「礼拝堂」、「神殿」などと呼ぶ方が適切。

あれ?「聖堂」という概念が全く分からん…

「聖堂」―― キリスト教での礼拝施設の名称。ミサ・聖体礼儀などが行われる建物。プロテスタント教派ではこれに相当する施設を教会堂などと呼ぶことが多い。カトリック教会の司教区で、司教の座席が設けてある中心的な聖堂は「大聖堂」と呼ばれる。

「礼拝堂」―― ①宗教施設の構内において、主祭壇を囲む主たる礼拝空間「聖堂」とは別個に内部もしくは外部に存在する、副次的な礼拝空間。②教会の所有ではない礼拝空間(チャペル)③信仰的な理由で「聖堂」という表現を用いない教派(プロテスタント)の礼拝空間。

③の理由で「礼拝堂」という表記になっているんだと思いました。こんな感じで説明しておきながら、区別して表現して書くのはなんか面倒なのであまり気にせずに続けていきたいと思います。ちなみに北欧諸国では国民の大半がルター派らしいです。

前置きが長くなりましたが、カンピ礼拝堂はヘルシンキ中央駅から徒歩5分。礼拝堂といいつつ、「これは本当に礼拝堂なのか?」というアート感がすごい外観をしています。

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中ももちろん現代アートみたいな不思議な空間でした。

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そこまで大きくないですが、僕らのような観光客でまあまあの人でにぎわっています。おもしろかったのが天井の形はたまご型だということ。さらに、実はこの建物は3種類の木材でできており、外壁は特殊なワックスでコーティングされたトウヒ、内壁はハンノキ、そして建具と内扉はセイヨウトネリコで作られているそうです。「礼拝堂」というよりは、ヘルシンキの建築家、銀細工師、織物アーティストが作り上げた一つの作品として楽しめる場所だと思いました。

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これはカンピ礼拝堂のある広場にあったオブジェ。これもよーくみたらたまご型。カンピ礼拝堂となにか関係がありそうでしたが分からないままです。

コンサートホールにもなる?(テンッペリアウキオ教会 Temppeliaukion kirkko)

その次に行ったのはテンッペリアウキオ教会。岩をくりぬいた中にできた空間の教会で、これまたカンピ礼拝堂と同じく全然教会らしくないのが面白いです。教会の作り自体も面白いのですが、僕が個人的に面白いと思ったのが、その教会のある場所。周辺が円形状に建物に囲まれた中に、一枚岩?の大きな岩があり、その岩の中に教会がある。かなり不思議な空間になっています。

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中の様子はというとこんな感じ。コンサートも行われるという教会なので、祭壇?ステージ?が大きいのが特徴的でした。天井の茶色の部分は銅板を重ねられたものでとてもきれいです。木の年輪みたい…

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ちなみに教会の上部である岩のほうにも上れます。1時間ぐらい、結構のんびりした時間を過ごしました。にしても、周辺が普通の住宅街の街並みなのに、ここだけかなり大きい岩がむき出しで存在していたのには不思議でした。

偶発のアート(HAM ヘルシンキ市立美術館)

テンッペリオアウキオ教会から、さあこれからお昼を食べようとヘルシンキ中央駅付近に向かって歩いていたところ、「HAM」という文字と、ドット柄のおしゃれなポスターが並んだ建物が見えてきました。「お、これは美術館だな」と思い、時間はそこまでなかったので中の展示を見に行くことは考えていませんでしたが、「美術館にある雑貨を見るのは楽しそうやなー」と中に入ってみました。

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”Art is popcorn for the brain." 「なるほどなあー」と感心しながら、雑貨を見に2階に行くとそこにはかなりの行列が。どうやらここは、ヘルシンキ市立美術館で、いま草間彌生の企画展が行われていました。(草間彌生を知らない人は調べてみてください。日本を代表するアーティストです。ドット柄を扱うことが有名で、誰もが一度は草間彌生の作品を見たことがあるはずです。)そのとき、ようやく建物の外にあったドット柄のポスターの意味が分かりました。草間彌生展を観たい気持ちはあったのですが、時間がなかったのとあまりにも盛況で人が多かったので行くのはやめにしました。

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1階には参加型のインスタレーションが展示されていました。カラフルなシールを最初は真っ白な部屋に張り付けていくという、気軽で自由でとても面白い作品。以前にもこれと同じインスタレーションをしていたようです。

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偶発性の楽しさも味わえ、僕たちも何枚かシールを貼りました。

おいしくてお腹いっぱい(KANNISTON LEIPOMOのシナモンロール

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中央駅付近まで戻ってきて、念願だった?KANNISTON LEIPOMOのシナモンロールを2.30€で購入しました。本当はこのあたりで座ってのんびりしたかったのですが、KANNISTON LEIPOMOの店内は小さなカウンターと2人組が座れるテーブルが1, 2個しかなかったので、シナモンロールはあとでどこかで食べる事に。

結局、このあと乗るViking Lineの船の中で食べましたが、甘さも丁度でとてもおいしい。かなり大きかったのでこれだけでかなりお腹が膨れました。

短すぎる開館時間(ウスペンスキー寺院 Uspenskin katedraali)

シナモンロールをゲットし、昼ご飯を別の場所で済ませ、これから乗船するストックホルム行きのViking Lineの乗船時間16:30まで時間がまだ少しあったので、そのまま港に向かいがてら、フィンランド最後の観光場所としてロシア正教ウスペンスキー寺院に行きました。

(知っておきたい宗教雑学②)

ロシア正教」は教派名としては正しくなく、正しくは「正教会 (Orthodox church)」であり、「ギリシャ正教」や「東方正教」とも呼ばれることがある。正教会の組織は国名や地域名を冠した組織名をつけることが慣例であるが、キリスト教の一つの教派としての「正教会」の同じ信仰を有している。11世紀ごろにあった東西教会の分裂によって「東方教会正教会)」と「西方教会カトリック教会)」が大きく分けられ、のちに16世紀の宗教改革によってカトリック教会から「プロテスタント」などの教派が生まれている。

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時刻は16時を回る手前、ウスペンスキー寺院に向かって中央駅付近から歩き出しました。道中、街中のパフォーマーをちょっと見たり、写真を撮ったり、再びヘルシンキ大聖堂を横目に見ながら、1日目に訪れたエテラ港へ辿り着きました。その時がだいたい16時ちょっと過ぎ。その時刻にはもう陽が沈んでいることもあって辺りは暗くなっているのですが、ウスペンスキー寺院のシルエットははっきり見えています。

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少し丘になったところに建っているので、ようやく頂上について教会を前にした写真をパシャパシャ。しかし、ほかの観光客は写真を撮り終えたら続々と帰っていってます。ロシア正教の教会の内部は豪華絢爛な装飾でとても有名なのに中を見ないなんて「なんでやろう?」と思いながら、建物の中への入り口を探すも見つからず…

「あれ?」

やっと見つけたドアのところにあった貼り紙には、

月曜 休館日

火曜-金曜 9:30-16:00

土曜 10:00-15:00

日曜 12:00-15:00

との情報がありました。「いくら、宗教施設であって観光場所じゃないからと言っても、さすがに17時までは開いているやろう」と高をくくってたのが大外れでした。まさか16時閉館だったとは…早すぎる…

結局中には入れず、事前に開館時間を調べておくことの大切さを思い知らされました。ほんと、時間がない旅は準備が一番大事だなあと思います。

人生初の豪華客船?(Viking Line)

そんなこんなで、ウスペンスキー寺院の中に入ることがなかった分、少し時間に余裕を持ちつつ、16:30より前には乗船場所に到着できました。船が出る時間は17:30だったのですが、1時間前から乗船が開始されるようです。

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船を正面から撮る時間もできたのでパシャリ。かなり大きく、1階から8階まであり、まるで水面動くマンションです。豪華客船とはこんな感じなのか!とか思いつつ、これまで乗った船の中で最大でした。でもこれでも一人30€以下。宿泊費とヘルシンキ-ストックホルム間の移動費が含まれていると考えると格安です。(ご飯は別です)

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船場所の建物に入り、1階で事前に予約していた番号を発券機に入力。乗船券を手にしました。厳密に言うと、この乗船券は部屋のカードキーです。

乗船してからすぐに船内探検へ。船内には宿泊用の部屋以外に、22時ぐらいまで営業しているサウナ、生演奏が聞けるバー&クラブ、スロットマシンコーナー、子供向けの映画館、ビュッフェスタイルのレストラン1件とオーダー式のレストラン数件、レストランではない食堂が1件、そして免税のスーパーがあり、そこでは服から時計、香水、電化製品、お酒とおかしが手に入ります。免税店の雰囲気は空港によくある感じと同じです。ただし残念なことにガッツリご飯を食べようと思うとこのスーパーでは足りません。レストランでご飯を食べようものなら、1食20€は軽く超えます。ビュッフェスタイルの方はもう少し高かったイメージです。荷物チェックはなかったので、可能であれば食べ物は外から持ち込んでしまったほうが良かったなあと後悔していました。ちなみに外にも出ることができました。夜風にあたりながらヘルシンキの明かりを見るのはいいなあと思っていましたが、風も強くずっとガクガクブルブル。すぐに中に戻りました。自分たちの泊まる部屋は4人部屋で、壁に吊り上げられたベッドが4つありました。ネットの環境はというと、部屋では全く使えなかったのですが、ロビーや食堂付近ではところどころでWifiが飛んでいてネットが使えました。

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夕飯の時間になり、昼過ぎに買っていたシナモンロールをほおばるも、こんなの夕食にならん!ということでレストランよりもまだ安い食堂のほうでサンドイッチを夕食に買いました。もちろん、スーパーのほうではビールを購入。お腹いっぱいにはなりませんでしたがそれで夕食を済ませました。ちなみにフィンランドの通貨はユーロ、スウェーデンの通貨はスウェーデンクローナで異なるのですが、船内では両方の通貨が使えますし、もちろんクレジットカードも使えます。

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そのあとはバーにいって片手にグラスを持ちながら、生演奏を聴きながら、ストックホルムの観光プランを話し合いながら、身体がノッテきたときには踊ったりして、その日の夜を過ごしました。夜は結構時間を持て余していたので、トランプとか持ってきていたらいい時間つぶしになったなーと後悔。

朝、起きた時にはもうストックホルム。乗船して初めて気づいたのですが、スウェーデンフィンランドは1時間の時差があります。その時差と事前に聞いていた到着時間にちょっと混乱しながら、部屋にあるめちゃくちゃ狭いシャワーで昨日の酔いを醒ましました。

下船してからの話は、スウェーデン編で書くことにします!

 

KENGO