KENGO's memo

日々の思考の備忘録、ドイツ、カールスルーエ研究留学・インターン体験記

年末年始旅行⑦ イタリア編1日目

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。今回はイタリア、ベネチアでの1日目(大晦日の日)を振り返ります。

念願のベネチア

12月31日の朝。起きるとそこはベネチアでした。

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ちょうどイタリア半島の本土のほうからベネチアの方面へ向かう橋の上で目を覚ましました。周りを見渡すとところどころが干潟になっているような浅い海が広がり、朝日がその水面にキラキラ光っているという素晴らしい景色が広がっていました。バスがTrochettoターミナルに着いたのが朝8時近く。そこからとりあえずSanta Lucia駅があるローマ広場のほうまで歩いてみました。

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朝日がきれいだったのでところどころで写真を撮りつつ20分ぐらいでローマ広場へ到着。(2枚目の右のほうに写っている橋が本土とつながっている)ローマ広場は島内で唯一車が入れる場所で、そこから先のエリアには車やバス、タクシーは全くありません。島内は昔の街並みのままで道が狭すぎるため主な交通手段は運河を通行する船と徒歩しかありません。(このためにのちのち大変な思いをするのです笑)

そもそもベネチアでの目的は、第一に路地好き人間にはたまらない路地だらけかつどこに行っても素晴らしい景色が観られるベネチアで「街歩き」をすること、そしてもう一つはそんなベネチアで「初めての海外での年越し」を経験することでした。

ベネチアで街歩きをするのは、本当に念願でした。NHKの「世界ふれあい街歩き」でベネチアが紹介されていたのをたまたま見たのはちょうど浪人生のとき。(ふれあい街歩きは旅人目線で街の雰囲気を味わえるとてもいい番組です)そのときは受験に合格すること以外の自由を徹底的に制限し、それで精神的にもかなり詰められていた時で、「ちゃんと東京の大学の合格を勝ち取って、いつか…いつかこんな景色が広がる面白い世界に出ていくんだ」と心を躍らせ、胸に誓ったことを思い出します。そんな日がついに…ついにやって来たのです。

そして、そんな思い出に残る年越しのタイミングに合わせるように、ちょうど同じ時期にヨーロッパに留学している先輩2人とたまたまベネチアにいる日程が被っていた同期2人を合わせた計5人でベネチアの観光&年越しを一緒にする予定になっていました。

その5人のうち、一番最初にベネチアに足を踏み入れたのは自分でした。他の人たちは昼過ぎにベネチアに着くという予定でした。それまでの時間は、主な観光地に行くことはあとに取っておくことにして、ベネチア島内と年越しイベントのあとの交通手段の情報収集に勤めることにしました。

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ローマ広場からSanta Lucia駅に向かう途中の景色に、さっそく圧倒されっぱなしでした。どこ撮っても画になる…

交通手段どうなっているんだ!?

Santa Lucia駅で朝ご飯にサンドイッチを買いつつ、スタンドでのコーヒー1杯の値段(1.0~1.2€)に驚きつつ、情報収集のためにネットが使える駅構内のカフェに行きました。(ちなみにそこではコンセントも使い放題で助かった…)年末年始旅行が始まる前にしていたことといえば、ベネチア島内のホテルはとても高かったので、本土のほうの主要駅(Mestre)周辺のホテルを抑えているぐらいでした。ただ、よくよく考えると年越しイベント後にそこに帰れる手段があるのかについては全く考えていませんでした。 (実は北欧での情報収集に時間を割きすぎて、ベネチアのことについては観光ポイント以外あまり調べきれてなかったのです。他の人も同様でした笑)

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しばらく調べていて、交通手段についてわかったことは、 

  • 島内を巡るには確実にベネチア島内のグランデ運河や島の外周で運航している水上バス(Vaporetto)の乗り放題のチケットを買うべきだということ (75分有効券7.5€、1日券20€、2日券30€、上の写真参照。クレジットカードでも買えます)
  • ローマ広場周辺は電車もバスもターミナルとなっていること
  • 電車でMestre駅までは1.25€
  • バスはMestre駅周辺から本土のほうの市街地に行くものがいくつかあること (バスの路線図は停留所の名前だけが並んでいる表示であり、行き先の地名が分からなければどのバスに乗ればいいか分からない理不尽なデザインでした。せめて地図上に路線図が書かれてあるようなデザインにしてほしかった…)
  • 電車、バスともに運航の終了時刻がそれぞれ0時半と22時程度までだったこと (バスは12月31日と1月1日のみ臨時運行があるというポスターが掲示されてありましたが、目当てのバスは夜中は走っていないということも判明しました。この通知のポスター、イタリア語だったのと分かりにくい構成だったので内容がよく理解できませんでした泣)
  • 他の交通手段としてタクシーが24時間営業していて、ローマ広場からMestre駅周辺まで定額(23€程度)で行ってくれること(詳しくは以下の写真を参照)

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タクシーの運ちゃんに話を聞いて、年越しの様子も聞けました。この時点で、帰りはタクシーでホテルまで帰ることを想定していました。問題は年越しのあとにそのローマ広場のタクシー乗り場でどのぐらい待たなくてはいけないかということ。もちろん他の観光客も同じ状況にあるので、タクシー争奪戦が繰り広げられるのは目に見えています。

「年越しで大騒ぎする大イベントのときに公共バスも電車も運行しないなんて、なんて理不尽なんだイタリア人!アホなんちゃうか?」

とバスも電車もその理不尽なデザインと倫理観に苛立っていたのですが……

結論から言うと、電車は年越しイベントが終わったあと夜中から朝まで運行していました!!無いものと思っていたのがあったので運行していることが分かった時は一安心できました。

一通りの交通手段については述べましたが、実はベネチアで感じた壁の中でも初歩中の初歩なのでした…

迷子必須の想定外の街歩き

ベネチア最大の問題は、「地図が手元にあっても自分の現在地を見失うこと」です。

全員と合流する前に街歩きの準備として足を慣らしておこうと軽く島内を歩いてみたのですが、新しい場所でも地図があれば迷わない派の自分であっても速攻で迷子になりました(笑)もらった地図上にはない路地に引き込まれ、方向感覚を失いました。そんなこんなで全員と合流する前には迷子から脱するためにGoogleMapを多用したせいでデータ量がオーバーしてしまいました。ほんまにアホです。合流したあとにもどの道を行けば目当ての観光地に行けるのか分からないほど道が複雑なので、結局、先輩の1人がプリペイドSIMに課金しまくって常にオンラインでGPSをオンにした状態になっていました。

*ドイツのプリペイドSIM vodafone 10€のプランで750MBで、その日1日で400MB使用して終了しました… ちなみに友達からの情報によるとフランスのプリペイドSIMだと20€程度で50GBぐらい使えるそうです。なんでそんな差がでるんや!笑

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ぐるぐる歩いていると「いかにもベネチア感」があふれていて道に迷いながらもとても楽しい一人の時間を満喫できました。(いや、ホンモノのベネチアなんやけどね笑)

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水上バス(Vaporetto)のチケットも買い、一度リアルト橋付近までいきました。こんな感じで主要ラインの水上バスは人でパンパンです。

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リアルト橋からの眺めはとても素晴らしい。リアルト橋は観光名所として出てくるのですが、橋自体がすごいというよりはこの景色がいいのでしょう。

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ちょっとアングルは違いますが夕方になるとこんな感じに。本当に画になります。しかし、みんなここでセルフィーしてるのでかなりの人でごった返してるため、結構いいアングルで写真を撮るのには時間がかかります。

ようやく合流、そして街歩き

一度本土に戻って、宿泊する先のホテルに行ってチェックインするなどのなんやかんやあり、5人全員が合流できた時点ですでに17時すぎ。

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リアルト橋付近で雰囲気のいいレストランがあったので、早めの夕食タイムになりました。イカ墨スパゲティをオーダーし皆でカニをシェア。

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そのあとは本格的に島内を街歩き。リアルピノキオ発見したり、途中で何度もカフェに立ち寄りカプチーノをすすったり、革製品のお店に寄ったり気ままに時間をつぶしながら、年越しイベントで花火が打ちあがるというサンマルコ広場へ向かいました。

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道中、年越しのときにみんなでつけようということで、ちょうど戦隊モノのカラーになるようにカーニバルの仮面をそれぞれ買いました。(今見たらそうでもないwww) 買ってからはどの場所に行くにも仮面をつけたままで、とんだ浮かれたアジアン観光客だったと思います(笑)

サンマルコ広場での悲劇①

先輩が課金しまくって使えるようになったネットでGPSを駆使し、なんとかサンマルコ広場に辿り着きました。

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時刻は21時頃。事件は起きました。先輩の両親が昔ベネチアに旅行に来たときにサンマルコ広場で一杯12€もするコーヒーを飲まされたという「サンマルコ広場周辺のカフェは物価高い話」で盛り上がっていた一行は、そのカフェがどこにあるのか探していました。

そこで目にした光景は、いかにも金持ちという感じの人たちが会し、カフェを貸し切りにしてパーティーをしていたものでした。そのカフェの年季が入ったとても良い外観を写真に収めようとカメラを手にし、何度かシャッターを切った、その時!!

カメラを持っていた手につけていた手袋でカメラを滑らしてしまい、カメラが「ガッチャーンッ!!」と豪快に音を立てて、石畳の床に落ちてしましました。周りの人も騒然。「はあああぁぁぁ~~~~」と言いながら、カメラが落ちていく光景がスローモーションに脳内で繰り返される中、落ちたカメラを咄嗟に床から拾い上げ、状態を確認すると、画面が少し飛び出ている+ボディの凹み+レンズ部分の部品が外れかかっているという状態でした…とりあえず画面をはめ込み、再起動させると、運よく動いているではありませんか!!「よかったー!!」と胸をなでおろしているのもつかの間、それから1時間経ったころには電源オフにしてもレンズ部分が収納されなくなり、全く使えなくなりました…

「このカメラ、つい1週間前に買ったのに…」

良く考えると2016年は自分にとっては厄年。気を抜いていたのか最後の最後にやられました。そして振り返ると前にもこんなことが。前厄の2015年にも新品のiPad購入したあと2日で画面を割っていたのです。「ことごとく新品を破壊する」というのが自分の厄だったに違いない。そう思わされました。

サンマルコ広場での悲劇②

サンマルコ広場での悲劇はまだ続きます…

一度サンマルコ広場から離れ、別のエリアをぶらぶらした後に、またサンマルコに帰ってきました。年越しイベントに向けて空いた時間約1時間半をどうにかつぶそうと、良い感じのカフェを探していたのです。どのカフェもこの大晦日で込み合っていて、結局22時半ぐらいにサンマルコに戻ってきたのでした。さっきまで話していた「サンマルコ広場周辺のカフェ物価高い話」を忘れていたわけではないのですが、5人のうち1人がメニューの値段を確認したのちに「物価高い言うてたけどそうでもなさそう」ということで入店。運よく5人分の席が空いたところだったので、それまでずっと座らずに歩き回っていた我々は「運が良かったな~」とほっとしていました。店の名前は「EDEN」という名前でした。

席に通される際に、店員に「何か食べるか、それともドリンクのみか?」というのを英語で聞かれていたので、入店時の列の先頭にいた友人が「Both(両方)」ということを確かに伝えたのでした。

店員が持ってきたメニューを開いてびっくり!普通のコーヒーで8~9€、ビールだと11€とかそのぐらいでした。小腹も空いていたので、みんなでシェアできるサイズのピザを頼もうとメニューの中の料理ゾーンを見ても唖然。全然料理メニューが充実していなくて、普通のあんぱんとかのサイズのピザでも13€します。すでに席に着いてしまった上に、これから別のカフェを探すのもしんどいということでしぶしぶ各々のドリンクとピザ1つをオーダーし、食べたいだけその小さいピザを頼んでシェアすることにしました。ちなみにピザを注文するときにそのサイズ感を店員に聞いています。(←これあとで重要です)

ドリンクが来てから、ピザが来るまで、「このどこにでもあるようなカフェの雰囲気で、このドリンクの値段はまじでないわ~先輩の両親が経験したことそのまま二の舞やなwww」としばらく談笑を楽しむ一行。カフェの店内を見渡し、周りの客層やらなにを食べているのかにも目が行きました。左隣のカップルはデリバリーであるようなサイズのかなり大きめのピザを注文したみたいで、男性の方が食べているところでした。「あれ?あんなメニューあったっけ?」と思いつつ、「ここであのサイズのピザを頼んだらめっちゃ高そう…」とかも思っていました。そうしているうちにウェイターが我々が注文した13€の小さいピザを持ってきました。「まあ写真でみた感じのサイズ感やなあ。どうせなら大きいピザ食べたいけど、高いだろうししかたないなあ」という感じで、あんぱんサイズのピザを男3人で食べわけようとしていました。

そうしていると、右隣の、母親は50歳近く、娘は20代前半のどちらもブロンドで美人で気品がある親子がこちらの光景を見てえらい爆笑しています。笑いやんだと思ったらまた笑い出し、娘のほうは笑い泣きまでしています。そんなことを2分近くもしていました。しかもその親子の間で起こった何かで笑っているのではなくて、明らかにこちらの5人のほうを見て大爆笑をしているのです。ちょうど僕の座っている位置が近かったので、その大爆笑している理由をおそるおそる聞いてみました。

「すみません。なんで笑っているのか教えてもらえますか?僕たちを見て笑っていますよね?」

「wwww…ああ、ごめんなさいね。なんでもないのよ…www」的な雰囲気で応えてくれず、一度目は何も真相が分かりません…

それでも、まだ笑い続けているので、その大爆笑に自分たちもつられて「なんでこんなケラケラ笑っとんねん!なにがあってん!」と余計に知りたくなり、もう一度、

「なんで笑ってるんですか?」と再び聞いたところ、

「wwww…だってwww…あなたたちのピザwww…めっちゃ小さいwwwwww…」

そういうことだったのか!と真相が分かり、こっちも大爆笑!「そんなに笑うことか?!いや…たしかによくよく考えたら13€でこれで男3人で分けようとしている光景はたしかに滑稽だわ」と思いながら、徐々にその親子と仲良くなりました。オーストラリアから来ている家族で父親は年越しイベントの前に仮眠をとるためホテルにいるそう。にしてもこの娘のほうが可愛いし美人、しかも笑顔が素敵という女性の武器を山ほど抱えた女性で話しながら僕はかなりメロメロになっていました(笑)で、こちらの事情を伝え、「13€でこのサイズのピザが来たんだよ。ありえなくない?」と愚痴をこぼしていました。それでまた大爆笑。どんだけ笑いのツボが浅いんだ…と思っていましたが、ここで5人はふと冷静になり、「さっきから左隣のやつピザ食べてるけど、あれはいくらするんや?比較してみよう!」と店員から渡されなかった方のメニューをこっそり取り、確認してみることに…

そこにはドリンクメニュー以外で充実した料理のメニューがずらり。ピザのパートをみつけ確認すると「Pizza+1drink・・・・17€」と書かれてあるではありませんか。どうやらこのピザはあの左隣のカップルが食べている大きいサイズのやつ!「ドリンク付きで17€ってどういうことやねん!全然こっちのほうがお徳やんけ!!」「うわ、見事にカモられてるやん俺ら…」となり、さすがに渡されたメニューとこっそり取ったメニューでの値段が違うこと、そしてその内容が違うことについて店員を呼び、事情を聴くことにしました。

だが、この呼びつけた若い店員の態度がものすごく悪い。まずは持ってこられたメニューが他の客と違うのにはどういう事情があるのかを低い姿勢で聞いたのですが、相手はピザのサイズにケチを付けられたと思ったらしく、「このメニューのピザを確かに頼みましたよね?これがそのサイズなので問題ないです。」の一点張り、しかも口調がイラっとする感じで、対応にも態度の悪さが前面に出ていました。これにはあきれ果て何も言葉が出ない。こいつでは話にならないとなり、別の実際にメニューを持ってきた50手前ぐらいの店員に事情を聴くと「あなたたちが「ドリンクのみ」といったからこのメニューを持ってきた。それでこのメニューを注文したから小さいピザを持ってきた。なんか間違いがあるのか?」という主張でした。

こちらの主張としては、まず「飲食両方」と入店時に伝えたこと、そこでこのほぼドリンク+少しの軽食しか載っていないメニューを持ってきたことにそちらのミスがあるのではないかということを問いただしました。こちらとしては「今後こんなミスはしないでくれ」といういかにも日本人らしい終わり方を予定していたのですが、「何が不満なんだ?ピザのサイズを変えれば問題はないのか?」と返してきました。まあこちらとしてもピザのサイズを変えてもらえることに悪い気持ちはないのでそのように伝えたのですが、その店員すら「謝罪」の言葉が全くないことに、僕たち5人の顔は引きつっていました。

そののち、13€の小さいピザをキャンセル 、17€のドリンク付きの大きいピザへの変更をすることになり、追加でドリンクを注文し、大きいピザが来るのを待ちました。でも僕たちの気持ちの中ではこの問題はすっきり解決されたものではありませんでした。相手側から要求したメニューをミスしたことに対しての「謝罪」の言葉を聞いておらず、かつその問題の対応をする態度の悪さにも違和感を覚えており、2つのメニュー表で大きく異なる理不尽な値段設定にも納得がいっていなかったからです。

このやりきれない状況に、交渉の先頭に立っていた先輩が、相手のためを思ってのクレームを入れることに。もちろん僕が交渉の先頭に立っていても同じことをしていたでしょう。ちなみに右隣のオーストリア美人親子もこれに対して怒りを覚えていたようで、ほかの客からもドイツ語でサービスの不満を漏らしていたのを聞いていたそうです。それぐらいこのカフェのサービスの悪さに全員の腹が煮えくり返っていました。

「まずミスをしたなら謝罪の言葉から対応するのが接客の基本でしょ。なのにその悪い態度で対応されるのは、サービスとして本当に最悪。気分を害しましたし、周りの客についても同様のサービスの悪さを口にしています。我々はもう二度と来ないですが、せめてサービスは向上させてください。」

とさっきまでもめた店員に言い伝え、会計を済ませました。このクレームの価値観も日本の「お客様は神様」的な価値観から来るのかなあとか振り返りながら思いましたが、一流な店なら値段が高いこととは関係なく、お客に対して気分を害させるような接客をしないことが徹底されるべきでしょう。そしてよりサービスがいいところなら、客がピザのサイズを聞いている時点で、「もう少し大きいサイズのピザもありますけどいかがですか?」という提案までできるはずです。立地だけよくて、サービスがクソな店ははやく淘汰されてしまえと心の底から思いました。サンマルコ広場周辺のカフェ、特に「EDEN」とかいう全く名前にふさわしくないサービスをしてくるふざけたカフェには十分に気を付けてください。

いよいよ年越し!

サンマルコ広場での2つの悲劇のあと、23時30分ぐらいから年越しイベントがある海側のほうへ移動しました。海からの風が吹き荒れ、とても寒かったです。年越しイベントといってもそれは「打ち上げ花火」だけなのですが、調べていた情報によると海上に特大の打ち上げ花火が何発も打ちあがるということでした。

時間が刻々と流れ、そこに集まっていた人も徐々にヒートアップしていきます。2016年があと5分になったところから、1分おきに上空にランタンが一つずつ打ちあがります。打ちあがる度に沸き起こる歓声。いよいよ最後の1個がはなたれ、スマホを片手に2017年になるタイミングをじっと待ちます。カウントダウンがあるのかと思っていたのですが、それほど大きな全員で合唱するカウントダウンはなく、スマホの時計が0:00を指して数秒後、打ち上げ花火が始まりました。

およそ20分間。何発打ちあがったのかわかりませんが、日本でみるのと同じぐらいきれいな花火がどんどん打ちあがります。

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最後のクライマックスに「これで満足かぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ってぐらい特大の花火を連発で上げていくのには圧倒されました!「海外の年越し、次にできるのはいつになるんだろうか?そんな日は来るのかな?」とか思いつつ、「やっぱり日本の年越しみたいに家族で紅白見て、年越しそば食べてしっとり迎える正月もいいなあ」と思っていました。

ベネチア遭難の恐怖の中

20分間の打ち上げ花火を楽しんだ後、その場で一夜を明かす若者以外の会場にいた人全員が帰路に着いていました。皆決まってセントルチア駅・ローマ広場方面を目指して歩きます。この時間にはもう水上バスはやっていないので全員もれなく徒歩で駅方面を目指すのですが、その場所に着くまでに約1時間半ぐらいは歩いたような気がします。よく取りがちな行動の「人の流れに乗って進んでいく」なんていうのはベネチアでは自殺行為でした。なぜならほぼ全員が道に迷っているためです。最初のサンマルコ広場から少しした距離の部分ではだいたいみんな同じ道を調子良くずんずん進んでいきます。途中からどんどん分散していき、細くかつ暗い路地を行く中でどんどん迷子になり脱落していく集団が増えていくのです(笑)中には10人ぐらいの集団でベネチアに来ていたと思われる集団が途中で2人を見失い、連絡が取れなくなっており途方に暮れているという光景も目にしました。主要な大きな道などあってないようなもので、分岐点ができるほどに人の塊が分散していくため、「ベネチア遭難」なんて余裕で起こるのです。

我々一行は先輩のスマホで常にGPSをオンにほぼ最短距離で駅方面に辿り着くことができました。一度先輩とはぐれていたらそれでその夜は終わっていたに違いありませんでした。GPSオンで最短距離を徒歩移動してすら1時間以上はかかっていたことを考えると、ベネチア民がいかに水上交通を重要視しているのかが分かりました。(水上バスなら運河に面したところから約20分あれば駅に着きます。本当に便利です。)

サンタルチア駅についたあと、タクシーを使おうとローマ広場に行く前に、時刻表通りに電車が本当に動いていないのか確認しに行くと、なんと!かなりの本数が動いているではありませんか!1.25€のチケットを買い、電車に乗り込みました。そのあとは本土のMestre駅についてタクシーを待っていたのですが、結局徒歩でホテルまで向かうことに。不運なことにホテルの場所はMestre駅からまあまあ遠い場所にあったので、寒空の下、約30分歩きました。結局寝床についたのは3時半。

足場があまり良くない石畳が続くベネチアをひたすら歩いたので足はパンパン、いろんなハプニングあって精神もすり減らしていたので疲労困憊でした。次の日は10時に起きるのでした。

2日目につづく。

 

KENGO