KENGO's memo

日々の思考の備忘録、ドイツ、カールスルーエ研究留学・インターン体験記

Aprilは準備の月

いま序文を書いている時点でカールスルーエを出て4日経ちましたが、遠い昔のような、そんな感覚になっています。ミュンヘン近郊の企業でのインターンも始まりまだ数日しか経っていませんが新しい発見ばかりです。タイトルの通り4月はKITでの活動の締めとなるセミナーでのプレゼンの「準備」に追われたり、引っ越しの「準備」に追われた月になりました。KITでの最終プレゼンが5月8日になったので、インターンは始まっているのにKITでの活動が終わっていないという中途半端な時期ですが、KITの活動はプレゼンをしっかりやって、しっかり締めくくりたいと思います。

研究

サンプル測定の追い込みの時期だったものの、予定していた分析が機器の故障でできなくなり、一度修理が完了したと思われてからも全然直っておらず、その修理が間に合わないまま4月が終わってしまいました。この実験済みのサンプルの残りの分析、まだ実験できずに残っている作成済みの触媒サンプルの実験については指導教官が引き継ぎます。

そしてこれらの実験に並行して、5月上旬に開かれる部署全体のセミナーでのプレゼンの準備していました。4月の最終日にはそれに向けての発表練習があり、いろいろ改善点が見つかりました。KITでのインターンは4月で終わりですがセミナーでのプレゼンのためにまた1日だけカールスルーエに戻ります。それまでに理系特有の表現がサラッと言えるようにしっかり発表練習したいなと思います。

セミナーでのプレゼンと並行して課せられていたKITでのインターン中のレポートについては、結果が出揃っていないというのもあって、結果と考察のパートがまだ終わっていません。5月中に企業でのインターンと並行して取り組む予定です。

論文を書くときはデータから読み取れる事実と「何故そうなるのか」の解釈がとても大事なのですが、合理的な解釈ができるようになるまでにはなかなか時間がかかるなぁと思いました。ただ、7ヶ月間KITでやってきたことの社会的意義やその周辺の技術についてはかなり理解できるまでになりました。

バイオマスガス化はバイオマス燃料、ガス化炉、ガス精製技術、そして最終ガス利用方法(ガスエンジンなど)の大まかに4つのパートに分かれているのですが、どのパートでもさまざまな選択肢がある中の最適な組み合わせが必要で、それぞれのパートで前後のパートの技術の必要要件との擦り合わせが必要になります。それぞれのパートにある多数の選択肢のそれぞれの特徴を生かし、いかにして顧客のニーズに合わせた設計にするかが企業のやることで、いまはまだ世に存在しないが潜在ニーズを持っている各パートの新しい選択肢をそのメカニズムの解明と共に生み出すことができるかが研究機関のやるべきことなのかなと感じました。(もちろん前者、後者ともに研究機関や企業が担うこともあると思いますが、そのバランス配分でどちらが多いかということだと思います。)

レポートを書いていく中で特にガス精製技術の比較が出来たのですが、自分が携わったフィルター一体型の触媒によるガス精製技術は開発していく余地がかなり大きいことを感じられました。ほかの精製技術の課題をクリアしている触媒を使わないガス精製技術もありましたが、その場合だと精製ユニットが大きくなり、設置面積が大きくなってしまうなどの制約が出てしまったりもします。一方で触媒を使う場合は、どの場合でも触媒の長期安定化が課題になっています。

従来だと各不純物を除去するのに特化したリアクターをそれぞれ設置する必要がありますが、KITで携わったプロジェクトで目指しているのは、触媒を担持させたろうそく型フィルターを使って全ての不純物の精製を一つのリアクターで行ってしまおうという魅力的なものでした。しかし、それを実現するために必要な触媒の安定化を目指した触媒の組成の模索、触媒を担持させる支持体への触媒の添加方法などはまだまだ手探り状態です。

これは企業でも同じことが言えると思いますが、研究で成果を出すには長い目で見た視点とその時々に得る結果からのフィードバックのスピードと質がとても重要だと感じました。

今回、7ヶ月の間に携われたプロジェクトは2020年まで続くそうなので、そのころにはどんな成果が生まれているのかとても楽しみです。

5月からはミュンヘン近郊で小規模バイオマスガス化発電装置を開発しているメーカーでのインターンが始まりますが、正直なところちゃんと働けるのか不安で一杯です。インターン先では採用されているガス精製技術の特性とそれ以外の全体の技術全般の理解、企業における技術開発の指針や小型バイオマスガス化発電装置のマーケティング戦略(特にアジア市場をどう考えているのか)とその弊害など、たくさん吸収したいと思います。

生活

4月の出来事を一文で。

上旬

・ランニングで左足故障、しばらくランニングやめる

・4つの時間配分に沿って、毎日の一言ログ開始

・英語学習がてらにGeorge Orwell1984読書、開始

カールスルーエ、アジアの野郎だけのBBQ

・国際情勢が緊迫しだした(日中首脳会談中に米軍シリア空爆北朝鮮の核実験に対する牽制、日本のメディアも北朝鮮報道で一色)

・同時期にユナイテッド航空暴行事件、世界的にかなり話題になった。

中旬

イースター連休始まりにランニング再開

イースター連休は寒い+雨降るしでどこも行かず、代わりに旅番組見ることで旅行行きたい欲を紛らわす

・KITでのインターンでの締めになるプレゼン作成のプレッシャーと戦う日々

・トビタテの変更申請が無事に承認された(2月21日変更申請提出、4月17日承認で承認まで約2か月かかった)

下旬

・20日にたまたま見たゴミ収集風景からタンデムのパートナーとの話も通じてドイツ(というかEU全体)のごみ収集システムについて理解

・ずっと前から欲しかった完全ワイヤレスイヤホン(Bragi社のThe DASH)を買った

・ドイツ 2度目の散髪、前よりはマシなところだった。29€もしたけど。

カールスルーエの日本人と最後の飲み会で、前からずっと気になっていた電車の車両を使ったレストランにやっといけた。鶏肉めっちゃうまかった。

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カールスルーエ近郊最後の観光で、こっちで知り合ったドイツ人と日本人と計3人でハイデルベルクへ。もっと街歩きしたかったってぐらいいい街並みだった。

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・出発ギリギリまで荷造り、すべての荷物を抱えバスでミュンヘンへ。ミュンヘンでは同じ時期にトビタテで留学中の高校時代の部活の後輩に再会。

生活面においては5月以降とても楽しみ満載。とりあえずミュンヘン、レーゲンスブルグからロンドン、バルセロナザルツブルグプラハには行きたいな!!!インターンに、旅行に、充実させるぞ!!!

 

KENGO