年末年始旅行③ フィンランド編2日目
2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランド→スウェーデン→イタリアと巡ってきました。フィンランド3日間の2日目を振り返ります。
2日目はタンペレ
1日目にヘルシンキ大聖堂、スオメンリンナ島と行ってきたわけですが、2日目はヘルシンキから北に電車で1時間半、内陸に位置するフィンランド最古で最大の工業都市、タンペレ(Tampere)に行きました。
タンペレの事前の情報収集として、とても参考になったのがこの記事。タンペレ大聖堂、スパイ博物館、ピューニッキ展望台、タンペレマーケットホールと、この記事を見て、タンペレでのターゲットをロックオンしました。
そして、フィンランドに行ったら絶対に行ってみたかった公衆サウナについては、この記事で紹介されているラヤポルティン・サウナ(Rajanportin sauna)がたまたま定休日のようだったので、別のサウナ、ラウハニエミサウナ(Rauhaniemen kansankylpylä)に行くことに。ラウハニエミサウナの情報についてはこちらを参考にしました。
不気味な雰囲気の教会(タンペレ大聖堂)
タンペレ駅についてから、まず最初にロッカーに荷物を預けました。4€で3人分の重い荷物をぶち込み、タンペレ大聖堂のある北方面へ徒歩で向かいます。徒歩で約5分ぐらいです。
タンペレ大聖堂を正面から見たらこんな感じ。左右非対称が特徴の教会となっています。
柱や側面の壁には薔薇の絵が描かれ、天井には蛇、そして教会の右奥の壁には骸骨の絵。大聖堂の中の様子は普通の教会とはかなりテイストが違っていました。こんなんいままで見たことないです。
意外とすごい変わり種博物館(スパイ博物館)
タンペレ大聖堂からそのままスパイ博物館(Vakoilumuseo)へ。タンペレ駅からは歩いて12,3分ぐらいで行けます。(たぶん)川を渡ってすぐのFINLAYSONの建物が目印です。
「スパイ博物館」と名前だけ聞いたら中二病感がすごいですが、そんなちゃっちいものではありません。施設はそれほど大きくはありませんが、本格的にスパイの歴史、人物、使っていた機器、道具や武器などが展示してあります。
入場料は6€。ただし、館内の写真撮影は追加で5€を払わないといけませんでした。嬉しかったのは、日本語表記の説明文が載ったファイルが借りられること。が、途中から展示物に表記されている番号とファイル中の説明文の番号とがずれていて分かりづらくなっていたのは残念でした。
ファイルの後半は各国の有名なスパイの逸話も書かれていたりします。ジェームスボンドのモデルの一人であるシドニー・ライリーについても書かれていました。他のスパイで、二重スパイや三重スパイにもなっていた人の紹介の中には「自分がどちら側の人間か、そして自分が何者か分からなくなる」と口を揃えてセリフを残していたようです。本当に映画の世界だなあと思いながら眺めていました。
暗号機、盗聴器、武器、取り調べ機器などの展示物以外にも、体験コーナーもちょこっとあります。ベルリンにあった諜報機関の秘密の通路を再現していたり、当時のボイスチェンジャーや暗号作成・解読なんかも体験できました。
あ、ちなみに忍者もいます。説明書きも壁のほうにありました。忍者も言われてみれば確かにスパイ。他の国にもこういう存在はありそうなのに、ソビエト連邦やイギリスなどのスパイに交じって「忍者」がピックアップされてるなんて、海外の忍者人気はNARUTOだけじゃないってことですね。
なんだかんだで1時間半ぐらいはいました。とても興味をそそられて楽しかったです。
展望台チャレンジ失敗!(ピューニッキ展望台)
冬の北欧観光は日暮れの時間も計算しておかないといけません。昼ごはん後は日が暮れる15時前にピューニッキ展望台に行ってタンペレ市内を一望することに。事前に調べた展望台の最寄りのバス停に行くバスを探しに近くのバスターミナルに行きました。
・・・が、問題発生。バス停に貼ってあるバスの路線図がめっちゃくちゃ分かりにくくて、どのバスがその最寄りのバス停に行くのか分からず…一応、地図上の地名と照らし合わせて、そちらの方向に行くバスに乗りました。バスの運転手にも行き先を確認したので大丈夫だろうと思っていたら、まさかの500mぐらい先のそのバスの終着点。混乱しながらとりあえず3人ともバスを降りましたが、辺りには展望台らしきものはなく、完全に3€をドブに捨てました(笑)
もう訳が分からないまま、遠くのほうに見える展望台らしき建物に向かって、寒空の中歩く一行。ただ、その建物も近づくにつれ、そこに行くルートを見つけることができなくなり、日も暮れてきて、途中で行くのを断念。無駄に30分ぐらい歩きました。結局、どこがピューニッキ展望台だったのかも分からず、展望台チャレンジ失敗。とりあえず、最初にバスに乗った場所付近まで歩いて戻りました。あーさむっ。
ムスタマッカラの悲劇(タンペレマーケットホール)
その足で向かったのはタンペレマーケットホール。肉屋さん、野菜屋さん、魚屋さん、パン屋さん、カフェといろんな商店が屋内のホール内に並んでいます。そこのカフェは小さいながらも雰囲気があっていい感じ。ようやく暖が取れる環境になったのでぶらぶら。(言うても外は風が強かっただけで気温は5℃ぐらいはあるという奇跡のコンディションでした。-10℃とかでなくて本当に良かった。)
このタンペレマーケットホールに来た目的は、事前に調べていた記事の中で出てきた謎の「黒いソーセージ」を食べる事。その名前は「ムスタマッカラ(mustaa makkaraa)」。それを探し求めて肉屋さんを2,3店舗グルグル回るもののショーケースの中にはありませんでした。
「ここでしか食べられない珍しいものらしいし、なんとしても食べてみたい・・・」
これは直接聞いた方が早いなと言うことで、店の人に聞くと、「あーそれはあそこの肉屋にあるよ」と即情報ゲット。「やっぱ聞いた方が早かったわ」と消極的な日本人体質を反省しつつ、さっそくその店に行って注文しました。肉屋のおっさんがショーケースではないところの発泡スチロールの箱の中からおもむろに1本取り出し、計りに乗せます。そしたらなんと値段が0.95€。「え???マジか!!!そんなにも安いん???」とか思いながら、何も不思議には思わず購入。(売店でおいしいソーセージとかをドイツで買っても2€ぐらいはします。まして北欧、なんでこんなに安いのか。)
「この場で食べますー!」というと肉屋のおじさんが紙皿とプラスチックのナイフとフォーク、そしてなぜかベリー系のジャムと一緒に出してきました。
よーく見ると、その店舗の柱にムスタマッカラとベリー系のジャムが一緒に描かれたポスターがありました。「あ、これが完成系なんやな」と思いつつ、さっそく一口ほおばります。
口に入れた瞬間に広がる「罰ゲーム」感…内部の肉?を包む表面の皮の硬さといい、中の肉?なのかなんなのか分からない物体の口触りといい、それら全体のなんとも表現しづらい味といい、これはパクパク食べれるもんではないなと思いました。(個人的には昆布の煮物に近い味を感じましたが、おいしいとは感じませんでした)せっかく乗っけられたベリー系のジャムと一緒に食べても、ジャムとムスタマッカラが口の中で確実に喧嘩していて、「ジャムの意味…」てな感じでした。全くマッチしていない組み合わせ・・・
ムスタマッカラ自体の味のあまりの衝撃に、そこに来て、ようやくこの「黒いソーセージ」についての正体をネットで調べ出しました。(いや、調べてなかったんかい!!)ちなみにホール内は無料のWi-Fiが使えたはずです。(うろ覚え)
調べて判明したのは、なんとこの黒ソーセージの「黒」は血が酸化した色、肉らしき中身の正体は肉として販売できない「内臓などのミンチ」ということでした。つまり、ムスタマッカラは屠殺されたあとに残った、普段は流通しない「あまりもの」を凝縮した一品ということでした。「道理で0.95€だったわけだわ」と納得する一行。他の2人もチャレンジしましたが、残った3分の2は自分の胃袋に入っていきました。
口直しといってはなんですが、そのあとにカフェに入って、のんびりしました。
フィンランドの真骨頂、サウナに行ってみよう!(ラウハニエミサウナ)
フィンランドでのハイライトは間違いなくここでした。銭湯、温泉文化におなじみのサウナ!ここでの経験をきっかけに、これまでのサウナという概念を完全に覆されることになります。
まずサウナに行く前の準備。こちらがラウハニエミサウナの公式ホームページ(英語)です。なんと1929年からあるそうです!!すごい!!サウナ自体は男女共有で水着は必ず着用します。そして、バスタオルも持参です。もし水着やバスタオルを持っていなかった場合、どうなるのかはわかりません。(サウナの受付で聞くのを忘れていました。すいません。)営業時間は平日(金曜以外)は15:00-20:00、金曜15:00-20:30、週末13:00-20:00で、毎日やっているようです。料金は大人一人6€、7-14歳は3€です。
次にサウナへの道のりについて。駅前のバス停から2番のバスに乗ります。2番のバスがラウハニエミサウナに行く唯一のバスです。気を付けたいのが下りるべきバス停について。この2番バスの終着点はRauhaniemiというところです。ここで降りるとサウナには行けますがちょっと遠くなります。降りるべきバス停は、バスの終着点から再びバスが市内方向に出るのを待って、折り返した次のバス停のRomsinlahtiです。このバス停はバスが市内に戻る方向にしかないバス停になっています。
僕たちはバスの運転手にサウナに行くことを告げ、バス停の場所を教えてもらったのですが、お互いに誤解していて、一度Romsinlahtiを通り過ぎてしまったので、再び2番バスに乗る羽目になりました。ただ、3€のバスのチケットは1時間有効なので再びチケットを購入する必要がなくてよかったです。
サウナがある湖の方向へRomsinlahtiから歩いて約10分。駐車場を超え、薄暗い林の中を突き進んでいくと簡易な作りの建物が見えてきます。
そしていきなり目に飛び込んできたのがこの光景。わかるでしょうか?凍っている湖の中に入っていく階段。そしてその上にいる人たち。テレビでみたり、噂に聞いていたサウナと湖の往復をしている人たちを間近に見て、一気に興奮しました。
サウナがあるらしき建物に入ったり出たりする人、建物の前で水着一丁で休憩している人、湖に入っていく人、結構な数いました。サウナにいる人も含めて、約50人ぐらいはいたかと思います。
最初受付がどこか分からず見逃していましたが、小さな窓がある小さい建物の中に入ると受付がありました。ここで貴重品も預けられました。お金を払わずにもしれっと更衣室やサウナに入っていけそうでしたが、そこはちゃんと一人6€払いました(笑)
この日の湖の水温は1℃。いままでほぼ真っ裸の状態で1℃の水に浸かったことがないので果たしてこの後どうなるのかドキドキ。
更衣室で水着に着替え、全員が集まっているサウナに入ります。ちなみにサウナ室は湖に近い側と受付に近い側で2つありますが、湖に近い側のほうが広い作りになっています。
サウナ室に入っていくと、3段の雛壇になっていて、人がぎっしりいました。扉の向かい、一番奥に蒸気が出る熱い部分があります。そこの近くに座っている人が5分おきぐらいに水を注ぎ入れ、室内を熱します。水を注ぐこと、そしてバケツに水がなくなったら外に汲みに行くことは何も言わずに皆が自主的にやっています。暗黙のルールというやつですね。自分たちも何度か水を注ぎました。ちなみにサウナ室に入る手前にはシャワールームも4室ほどあり、シャンプーなどを持参していれば終わりにここでシャワーを済ますことも可能です。
中には僕らと同じように日本人の人もいたりしましたが、ほとんどがローカル民といった印象を受けました。ちょこっと話を聞くと、毎週2回はここに来ていると言っていました。サウナの入り方については湖に入っていくこと以外は日本と特に変わったことはないようでした。
そして、身体がアツくなってきていよいよ湖へ行くことに。まず外に出た瞬間に一気に寒気に襲われます。それに加えてこの日は強風が吹き荒れており、余計に寒い。湖のほうでもっと強い風を受けつつ、悲鳴を上げつつ、とりあえず前の人にズンズン付いて行きます。階段をゆっくり降り、足先から入っていくのですが、腰まで来るとさすがにヤバさを感じました。とりあえず体を肩まで沈めて1回目のトライは終了。湖から上がり、サウナへ戻る道では体中を針で刺されているような感覚で気が狂いそうになりました。
すかさずサウナ室へ戻りました。サウナ室に戻って体の表面の感覚が戻るまで2,3分はかかりました。1℃の水で縮まった毛細血管が広がっていくのが分かります。でも、このあとからの感覚が不思議なもので、一度冷めたはずの体が内側から温まっていくのが感じ取れました。サウナ室では蒸気で表面から熱されいてますが、内側の熱はどこから来るのか。
変な感覚を覚えながら、2度目の湖トライ。次は頭まで冷水に浸かりました。頭まで浸かると一瞬で意識が飛びそうになりました。念のため掴んでいた湖にかけられた階段の手すりを離しかけそうになりながら、ギリギリのところで這い上がり、再び全身を針で刺された状態でサウナ室へ戻りました。頭まで行くとマジで危ないですが、ローカル民は普通にやってのけていました。すごい。
そんなこんなで計4回ほど往復して、営業終了時間と同時にサウナを後にしました。本場の交互浴(サウナ↔湖)を体験し、体の生理機能が高められたのか、それまで手袋がなければ耐えられなかったのに、手袋なしでも過ごせる身体に進化しました。確実に実感できます。ちなみにこの寒さに強い身体になった効果は自分の感覚としては1週間ぐらい続きました。いままでサウナに入る際に水風呂に入っている人を不思議がっていましたが、今後はちゃんと交互浴をすると思います。自分の中のサウナの概念が変わった体験でした。
トナカイとビーバーを食らう(HARALD)
この日の夜がフィンランド最後の晩飯ということで、奮発して北欧料理を堪能しました。評価が一番高かった「HARALD」というレストランへ。だいたいのメインの料理が最低20€はするところでしたが、僕はどうしてもトナカイ肉を食べたかったので、40€するプレートを注文しました。
芋の量が多くそれだけでも結構お腹がいっぱいになりそうでしたが、念願のトナカイ肉も食べる事ができました。トナカイは癖もなく柔らかくて結構おいしい印象を受けました。この串刺しになっている肉の中にトナカイ肉に加えてビーバー肉もありました。「ビーバーなんか食べるんか!」と驚きましたが、普通においしかったです。
トナカイ肉、もう一度食べてみたいなあ…
フィンランド2日目、とても堪能しました。是非、皆にも交互浴を奨めていきたいと思います。次はフィンランド編最終回です。
KENGO
年末年始旅行② フィンランド編1日目
2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランド→スウェーデン→イタリアと巡ってきました。今回はフィンランド3日間の1日目を振り返ります。
1日目はヘルシンキ
早朝からバス移動、フライト移動×2で少しくたくたな状態で13時にヘルシンキ空港に到着。北欧での旅行を共にする、学部時代の同期で同じく留学中の身である2人の友達と無事に合流できました。空港からヘルシンキ市内へ行くバスを探し、バスターミナルのほうへ。バスの運賃は5.50€。自販機がありクレジットカードで支払えました。ヘルシンキ中央駅周辺まで20~25分ぐらいでした。*チケットは90分有効です。
がっつりヘルシンキを観光するのはこの日しかなかったので、そのままヘルシンキ大聖堂、世界遺産のスオメンリンナの要塞に行くことに。
ヘルシンキにそびえたつ白いシンボル(ヘルシンキ大聖堂)
まずはヘルシンキ大聖堂。この日は快晴。青々とした空をバックにヘルシンキ大聖堂を見ることができました。(というか北欧滞在中はなぜか天気が良く、気温が8℃という日が続きました)少し高いところに建っているんですね。階段の段数は思ったよりもありましたが、頂上に来たとき海方向への眺めが良かったので思わず写真を撮っていました。
美しいサンセットバルト海(エテラ港&スオメンリンナ島)
そのあと、フェリーでスオメンリンナ島へ行くために、まずはエテラ港へ。
フェリー乗り場(エテラ港)はヘルシンキ大聖堂から歩ける距離にあります。エテラ港では市場が開かれているそうですが、この日は12月26日でクリスマスの祝日だったからかやっていませんでした。
写真のようなエテラ港のあるあるな光景?を目にしつつフェリー乗り場を発見。(右の写真は駐車場にあるポールなんですが、カメの甲羅に棒がぶっ刺されているのはさすがにどこかから抗議が来てそう)フェリーは12時間有効パスで5€でした。これもクレジットカードでも買えます。
運良くフェリーが来ていたので待ち時間なく即入船。
15分でスオメンリンナ島に着くのですが、ちょうど夕暮れ時(なんと15時!)だったので、バルト海のきれいな景色が見れました。(風めっちゃ強かったですが)
事前に少しだけこちらを参考にしてスオメンリンナ島の観光情報を調べていました。スオメンリンナ島でひそかに楽しみにしていたのはクラフトビールが飲める醸造所併設のレストランであったりしたのですが、祝日のためにやっていませんでした。残念。
スオメンリンナの要塞(Fortress of Suomenlinna)はスウェーデン=フィンランドがロシア帝国に対する守りを目的として、1748年に建設が着手されたらしいです。世界遺産には1991年に登録されました。
島内には住民もいるようで、ところどころに民家がありつつ、開けた道をずんずん進んで島の先端に来るころには砲台と要塞の城壁が現れてきました。改修工事をしているのか、島が浸食されているのか、ところどころに立ち入り禁止の柵もありました。
島の一番端っこ、砲台が並んでいるほうから撮った写真がこんな感じ。下の写真の奥に見えているのが砲台の穴もある城壁です。…しかしめっちゃ眺めが良い。場所的にもここが軍事的に大事にされた場所ということが良くわかりました。風がかなり強かったのはありましたが、童心にもどって冒険気分を味わえたのはめちゃくちゃ楽しかったです。
このスオメンリンナ島、夏にはヘルシンキ民にとっての憩いの場所になるそうですが、かなり納得しました。都市からちょこっと離れて、余裕のある広さの芝生となだらかな丘がたくさんあり、のんびりするにはもってこいの場所。僕が行ったときにはさすがにそんなところに寝そべっている人はいませんでしたが、こんな場所が住んでいるところの近くにあれば毎週通いたいなと思ってました。
本土に帰って、ホテルにチェックイン。スーパーで買い込んだビールを冷蔵庫に入れ、晩飯を求めにホテル周辺を散策し行くことに。
しかしながら、さっきから何度も言っているように、この日は祝日。事前に調べていたレストランは全滅でした。その日の間に日本食トークを何度も炸裂させていた僕らは、いつの間にか頭の中によぎっていた「ご飯もの」を求めて、北欧初日の夜に、まさかの中華料理屋に入るのでした。
2日目に続く。
KENGO
年末年始旅行① 移動手段&費用おさらい
2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランド→スウェーデン→イタリアと巡ってきました。
今回はその長距離の移動手段&費用をさくっとまとめました。
ドイツ(カールスルーエ)→フィンランド(ヘルシンキ、タンペレ)→スウェーデン(ストックホルム)→イタリア(ベネチア、ミラノ)→ドイツ(カールスルーエ)のいずれかのルートで旅行に行く人の参考になればよいなと思います。
空路
今回の旅行での空路はAir BerlinのOpen jaw flightを使いました。
Open jaw flightのいいところは、ドイツのどこかの都市から出て、旅行先からドイツのどこかの都市に帰ってくれさえすれば、他の航空会社で片道ずつ飛行機を予約するのに比べて費用をかなり抑えられる点にあります。また、その逆も然りで、違う国からドイツのどこかの都市に入って、ドイツのどこかの都市から別の国に行くというのもありです。ドイツを中心にして(または経由して)違う国を巡りたい人、または、ドイツ国内を巡りたい人にとってとても良い仕組みです。
行きはシュツットガルト→ベルリン(1h15m)、ベルリン→ヘルシンキ(1h50m)
帰りはストックホルム→ベルリン(1h35m)、ベルリン→ミュンヘン(1h15m)
で、乗り継ぎ時間はどちらも1時間程度でした。フライト代は約320€(約34000円)でした。出発の約2か月前にフライトを抑えましたが、もっと早く取ればもう少し安くなったと思います。
空路以外の長距離移動
その他の長距離移動は以下の通り。すべて事前にネットで予約できました。
Flixbusのバス、移動時間55分、7.96€。フライトが7:30でしたので早朝に5:15のバスに乗りました。朝早くから走っていることがとても良いです。
フィンランドの国鉄VRの高速鉄道、行き帰りどちらも移動時間1時間30分。1人25€+21€で46€。
Viking Lineという船。16:30乗船、17:30ヘルシンキ発、翌日10:00ストックホルム着で3人で88€でした。(これに関しては友達が予約したので内訳は分かりません。4人部屋を取ると88€ということかもしれません。)
Flixbusの夜行バス。8時間30分、60.19€。飛行機に比べると断然安いし、宿代も浮くと考えるとリーズナブルでした。
Trenitaliaの高速鉄道、2時間、29.90€。
Flixbusの日中バス。12:15ミラノ発、16:10チューリッヒ着。18:00チューリッヒ発、22:00カールスルーエ着で約55€。イタリアからスイスを突っ切ってドイツへ向かうので途中とてもきれいな景色が楽しめます。昼便ならではの楽しみですね。スイスのチューリッヒで2時間バスの乗り継ぎ時間がありましたが、バスターミナルがチューリッヒ中央駅近くだったのでカフェなどで時間を潰せます。ただ通貨がスイスフラン、そして物価が高いということもあって、カフェには入らずスーパーでチキンとビールをクレジットカードで購入しました。
トータルコスト
事前に予約した長距離移動の費用は合計約550€でした。
移動時間が気にならない旅ならバスを有効活用することをお勧めします。上に書いているようにバスはめっちゃ安いです。ただ、一番安いのかというとそうでもなかったりします。たまーにバスや鉄道よりも飛行機のほうが安いということも起こるのがヨーロッパ。ryanairはその格安航空の代表ですね。
ちなみに・・・上に列挙した長距離移動費に加えて、旅行先での移動費、宿代、食費、お土産等々を含めたトータルの費用は約1120€(約14万円)でした。
船での1泊、ストックホルムは友達の家に泊まったことや夜行バスなどもあったので、ホテルでの宿泊日数は5泊のみでした。ホテルも基本的にかなり安いところを攻めているので1泊あたり20€程度、トータル100€で済んでいます。
ということは、食費、お土産で470€ぐらい使っていることになりますね・・・
感覚としては北欧、そしてベネチアは物価が高いのに夕食だと20€は超えるぐらい使ってましたし、寒い中、毎日13kmぐらい歩いていたからか、店内に入ってスイーツを食べたり、お茶をする回数も多かったので、これは仕方ないと言えば仕方ない出費ですね。
…てか14万も使ったんかぁ
使ったなあ…
1月からしばらくは節約生活です。
さて、お次はフィンランド編。
KENGO
Decemberはハプニングの月
12月に入り、寒さが一層厳しくなりました。年の瀬で、結構いろんなことがありバタバタしていて、何をしていたかあんまり思い出せなかったのですが、手帳を見ながら振り返っていたら結構ハプニング尽くしの1か月だったなあと思います。
研究
内容的には11月の延長で特に変わったことはしてなかった印象。ひたすらサンプルを分析にかけ、連続反応させている触媒の実験で扱っている実験装置の状態を毎日、定期的に確認し、状態が良くなければ調整、帰るときには反応を一時的に止めた状態にして帰宅するというルーティンをこなしていました。
詳細に分析するところは別の研究ユニットの人に頼んでいたので、新しい結果が届いたりしましたが、特に面白い発見はありませんでした。今後も同じような展開が続きそうです。
作業系はほぼルーティン化してきたので、作業しない時のオフィスワークが結構大事になっていると思うので、論文を読むことはもちろんのこと、研究分野の触媒技術の細部だけでなく、触媒以外のほかのガス精製技術の比較、バイオマスガス化プラント全体の技術・コスト、アジア市場の需要動向などバイオマスガス化の全体が見渡せるようになっていたいですね。
生活
12月に起こったプライベートでの内容をだらっとフラッシュバック!
・クリスマスマーケット遠征(シュツットガルト、エスリンゲン)
12月4日。詳しくはリンク先で紹介しています。近場で行けてとっても良かった。
・ドイツの銀行口座の開設チャレンジ
12月5日。ドイツでは日本と違って銀行口座を作ると、口座維持手数料として毎月数€を払わないといけないんです。「学生」であることが証明できれば、口座維持手数料は無料になることが多いらしいですが、自分の場合は残念ながら学生の身分ではないので、口座を作るのに余計な手数料はかけたくない!
ということで口座維持手数料がかからないComdirectというネットバンキングの申請を行いました。他にも無店舗型のネットバンクはあります。詳しくは参考のリンク先を見てください。口座維持手数料がかかるのは店舗を構えている銀行が多い一方で、ネットバンクはほとんど手数料はかかりません。作った上で口座を使わなくてもいいのが気持ちとしては楽です。
そもそも、銀行口座が必要になったのは、スポーツジムに通おうと考えて入会の手続きを聞いたことからはじまりました。月々のジムの利用料は銀行口座から引かれるらしく、銀行口座を持っていない者は入会できないと言われました。おい、なんでやねん!
それ以外に銀行口座が必要になる場面には出くわしていないのですが(家賃は現金手渡しだし…)、ジムの入会以外にもこういう理不尽なこと起こりそうだなってことでとりあえず申請することにしたわけです。実を言うと。
で、ネット上で申請が終わった後、自分が記入した内容が印刷された書類が1週間以内にComdirectから送られてきます。(or 自身で申請時に書類を印刷することも可能)
こんな感じの書類が一式。ちなみにドイツ語で書かれているので内容は全く分かりません。念のためドイツ語ができる友人に確認してもらったあとに次のステップに移りました。(一緒に届く書類の中にも手順が記されています)
届いた書類と個人確認ができるもの(パスポートとか)を持って郵便局に行き、個人確認ができれば、郵便局のスタッフに受理され、無料でその書類をComdirectのほうに送ってくれます。
ここで僕はつまずきました。
残念なことに唯一持っている、そして一番強いであろう個人確認のパスポートが使えませんでした。理由は「出生地が確認できないから」の一点です。そうなんです。日本のパスポートには「本籍地 Registered Domicile」しか示されていないんです。他の国のパスポートには確実に示されているものなのに…訪れた郵便局のスタッフに「日本では出生地の情報はあまり重要でないし、本籍地と出生地は同じもんだからお願いしますぅ」と懇願したものの受理されませんでした。
なのでいまだに銀行口座を作れないでいます。緊急に必要な状況ではないのですが、急に必要になるときが来そうで、早く手を打たなくてはいけないと思っています。
【参考】
・大惨事、ドイツでの散髪&パーマ
12月9日。これに関しては書いていたら長くなってしまったので、別のエントリーでみっちり書いています。3か月伸びた髪が陰毛の塊ヘアーになるまでをお届けします。
・カールスルーエ日本人会飲み
ちょうど僕の髪型が陰毛の塊みたいになった日の夜に、カールスルーエにいる日本人の人たちで飲み会をしました。KITの博士課程、ポスドクの人に囲まれて、けっこうくだらない話ばかりして盛り上がりました。中だるみしだして緩んでいた研究のモチベーションがちょっとだけ上がりました。
・ZKMにはじめていく
12月10日。カールスルーエのシンボル的施設、ZKM(Zentrum für Kunst und Medientechnologie)にルームメイトのウズベキスタン人のヨハン君と行ってきました。
メディアアートと現代アートが楽しめるということで行ってみたのですが、この施設は複数の展覧会が同時に開催できるほど大きな規模であって、建物ごと、その建物の中でもフロアごとに違う展覧会をしているのが興味深かったです。自分が行った時も、計4つの企画展を見ることが出来ました。(常設展がどれなのかちょっと分からなかった)
ドイツの建築家のフライ・オットーのThinking by Modelingという企画展では、テントのような膜構造を多様に用いた万博やミュンヘン五輪での建造物の記録であったり、膜構造の発想に至るまでの試行錯誤の記録、膜構造を構成する梁やガラス、設計された建造物のミニチュアの展示などがありました。建築が専門の人だったらかなり興奮するような内容だったと思います。
ほかには、あまりにも現代アートすぎて良くわからなかったやつと、1945年から1968年のヨーロッパのアート集めたやつとか、ゲームの企画展もありました。昔のゲームから最新のゲーム、チームラボを彷彿させるようなインタラクションゲームに至るまでとても楽しい内容でした。
・KITでクリスマスパーティー
12月15日には、自分が所属している研究所のクリスマスパーティーがありました。14時ごろから今年一年の研究所での出来事・進捗、大学組織の中で変わったこと(諸連絡?)などのプレゼンが1時間ほどあり、そのあといつもセミナーを行っている建物でクリスマスパーティーが開かれました。
ホットワインとおかしをつまみながら雑談。17時ごろからはビュッフェ形式のご飯、ビールが出てきました。研究所のメンツでもユニットごとにテーブルが勝手に分かれて固まってしまっていて、新しく知り合いになる人もおらず、周りは全員30歳以上、雑談も基本ドイツ語なので入っていけないもどかしさを噛みしめていました。
英語で雑談するのは苦手なわけではないのですが、英語での雑談以上に、年上の人たちとの距離の詰め方がつかめないので、研究所の同じユニットの中ではあまり話さないキャラになってしまっています。(日本語であっても向こうから来てくれないと結構難しいところ…)
「クリスマスパーティー」と言っても、日本で言うと、「忘年会」に近い感じを受けました。もちろんプレゼント交換とかもないです(笑)
この日を境に、みんなの研究活動が徐々に止まっていくのが分かりました。まあ、研究の内容的にも2~4週間で活動することを考えると当たり前なことのように思います。
自分も実験室でなく、オフィスにいる時間が増えたので、インターン先の候補の企業の情報を集めたりしていました。
・ビザ(residence permit)の申請書類提出
12月19日。ビザなし滞在期間あと10日のギリギリでようやく外国人局でビザの申請書類を提出&申請費用100€を支払ってきました。予約しないと外国人局でのビザ申請ができないと知ったのが11月中旬ごろ。その時点で予約状況はパンパンで12月19日が最速でした。本当に危なかった。
申請書類を提出しさえすれば、紙状の仮ビザをもらえます。自分の場合は6か月先までの有効期限を有した仮ビザを発効してもらえました。パスポートとともに所持し、ビザの有無を聞かれた場合はそれを見せればいいというわけです。安心して年末年始の旅行に出ることができました。(結局のところ、年末年始の旅行でビザの有無を聞かれる場面には遭遇しなかったですが。EUすげえ。)
ビザ取得に至るまでの話は、また別のエントリーに書くことにします。
・オーロラ撮影のためにカメラ購入
かねてからオーロラを見たかった僕は、それを写真に収めたいと考えていたので、クリスマスのバーゲンにつられてカメラの購入を検討しだしました。どうせ、年末年始に北欧とイタリアに旅行に行くし、もうこの際買ってしまえということで、カメラのあれこれを調べ、かさばらず、それでいてオーロラが取れるSony Cybershot DSC-RX100を購入しました。
RX100はレンズの絞り値(F値)が1.8を有している唯一のコンデジで、値段も一眼やミラーレスに比べても安かったのと、自分がいま持っているコンデジも故障が続いていたのが相まって、購入を決断。その日に旅行者向けの三脚も購入。(三脚がないとオーロラは撮りづらいらしい)
さっそく年末年始の旅行で活躍するのですが、購入後1週間程経った12月31日にベネチアの石畳に落として壊すという、厄年が終わる最後の日に溜め込んでいた厄年パワーを発揮し、無駄な出費を重ねるのでした。おしまい。
RX100は現在修理中。オーロラを見るのにアイスランドに行くことも計画中。
・年末年始旅行 with 出身大学メンツ
12月26日から1月3日までの9日間、北欧はフィンランド、スウェーデン、そしてイタリアと年末年始旅行に行きました。
この旅のポイントは、留学中の同じ日本の大学の学生だけで回ったということ。北欧の期間は、学部の同期と3人で巡り、イタリアは先輩たちと3人と巡りました。意外とつながる留学中のネットワーク(笑)そして日本語が話せる楽さ。同時に同じ留学生の身でありつつ、それぞれがそれぞれの留学先でやっていることの話に、とても刺激を受けて、新年から頑張るぞという意識が強くなりました。
どの場所も行ったことがない場所で、特に、「初の海外年越し in ベネチア」は最高の思い出になるだろうなと計画段階からワクワクしっぱなしでした。
でも、なにより思い出に残っているのはフィンランドでの「サウナ体験」でした。
「サウナ」自体には親しみがあるものの、本場のサウナを知らないのはもったいないということでフィンランドへ出発する前に急遽行くことを決断。皆に「一応水着持って着といてね!」と伝えつつ、公衆サウナがあるかどうかを調べ、タンペレで公衆サウナに行く計画に。(ヘルシンキにも公衆サウナはありますが、運悪く自分たちのスケジュールに合わなかったので断念しました。)
サウナであったまった身体を、外気温-2度、冷たい風が吹き荒れるなか、水温1度の湖に体を沈めに行き、再びサウナに戻るというクレイジーな体験は、自分のなかの「サウナ」の概念を確実に変えました。
4回ぐらいサウナと湖を往復し、帰るころには皮膚の表面は確かに冷たいと感じるのに、内側に熱がたまっている不思議な感覚がありました。
この日を境にして1週間ぐらいは本当に寒さに強くなりました。寒いと感じるのは表面だけで芯まで冷えることがなくなりました。サウナパワー恐るべし。これからハマりそうです。
結果的に良くも悪くもたくさんの思い出ができたのでとってもハッピー。iPhoneが教えてくれたのですが、この9日間毎日平均13km、トータル126kmも歩いていたことに驚きました。(歩きすぎだろ(笑))
フィンランド編、スウェーデン編、イタリア編で忘れないうちに綴りたいと思うところです。
それではまた!!
KENGO
ドイツの美容室でパーマ&散髪、大惨事。
「ドイツの美容院のレベルがかなりやばい」という噂があります。
どんな風にヤバいのか体験したことがないので、内心、「東南アジアでもあるまいし、そんなことないんじゃない?」と思ってあまり本気に捉えていなかったのですが、12月のある日、遂に自分にも散髪をする日がやってきました。
3か月も髪を伸ばしていたのでそこそこ長くなっており、「せっかくだからパーマでもあててみよう」と思い立ったのが運の尽き。ある意味、これも厄年パワーでした。(年末にも追い込みをかけたかのように厄年パワーを発揮しました。)
日本のように美容院の口コミサイト的なものはなく、あったとしてもドイツ語で書かれているだろうと思っていたので、実際に街を見回って、よさそうな美容院で散髪&パーマをすることを決めていました。他に比べてそこそこ値段が高く、妥当な値段を出しているところは安心できるだろうと高をくくって、ある店に決めました。
予約を電話でするのは億劫だったので、店に直接入りその場で予約を取ることに成功。自分の希望のパーマ&髪型を写真で見せ、翌日の夕方にパーマ&散髪をすることが決まりました。長年やっていそうなスタッフもチラホラいたし、事前に値段を聞くと、66€とパーマかけるなら妥当かな?と思う値段であったので、「まあ大丈夫でしょ」と翌日を待つことに。
当日。
「なんじゃゃぁぁこれ!!!!?????」
奴らにとっての3時間の大作は僕にとっての人生最大の失敗作になりました。
奴らの行動を僕の心情の変化とともに振り返ってみようと思います。
まず、パーマをかける工程。
美魔女に一歩届かないぐらいの中年のおばちゃんスタッフが自分の髪全体にロッドを巻き付けていきます。ロッドの直径によってカールのかかり具合が決まるのですが、人生でまだ1度しかパーマを当てたことがない人にとってはどの直径が最終的に自分が理想としているカールを作るのか、全く分からない状況であったので、そこには口を挟まず、とりあえずおばちゃん任せになります。あらかじめ理想形の髪型の写真を見せているので「まあ大丈夫でしょ」と思いながら、どんどんロッドを巻かれていきます。
ロッドを巻かれる時間は45分間はかかったと思います。
その間、全く話さない…
日本だったら気さくに話しかけてくれる美容師って多いですよね。それが嫌な人もいるでしょうけど、僕は話すのが好きな方なので、ほぼ初対面の人でも頑張って会話の引き出しを放出していきます。だってそのほうが楽しいですもんね。なので、45分無言でひたすらロッドが巻かれていく自分の髪と自分の顔を鏡越しに見るというのがマジで地獄でした。
しかも、そのロッドを巻いていくスタッフの手際の悪さと言ったら、いま思い出すだけでもイライラしてきます。一度巻き付けたロッドを何度も巻きなおす。その度に増える溜め息。
「おいおいふざけんなよ。何でお前が溜め息ついとんねん!こっちのほうがため息つきたいわ!」とイラっ。
ロッド自体もうまく分類できていないのか、自分の後ろでガチャガチャと探しに探して、次のロッドを付ける。その間、溜め息と沈黙。マジで地獄です。
地獄の45分を耐え抜き、次はパーマ液をかけられます。
なんとその工程に差し掛かったとき、さっきまでロッドを巻き付けていたおばちゃんスタッフが帰る支度をし出しました。「あ、最後までやんないんだ…」と唖然。まあ仕事の時間を守るという点では何も口出しできないなあと思いましたが、さっきまで担当をしていた自分に何も言わずに立ち去るその光景は日本では考えられなかった事態だったので、これにもちょっとイラっとしました。
自ずといかに日本のサービスが良くて、それに慣れてしまっているかに気づかされます。
パーマ液の工程は30分。さっきのおばちゃんスタッフよりも歳を召した、カリスマ風ばあさんスタッフに変わりました。
その後、パーマ液の洗浄、そして固定液?なるものを掛けられ、約20分の放置プレイに突入。
「パーマかけるのってこんなに時間かかるっけ?」とか思いながら、ずっと白い天井を見つめることしかできない僕。ここでさっきまでのイライラもなぜか少し浄化されました。
固定液も洗浄し、ここまでで2時間が経過。
もとの席に戻り、濡れた髪をドライヤーで乾かしていきます。
しかし、乾ききった自分の髪を見て、唖然としました。
なぜなら、ここに来てようやくリクエストしたパーマではないことに気付いたからです。しかも、その時点での見た目はこれぞ大阪のおばちゃんのヘアースタイル。
もっと言うと、見た目は陰毛の塊でした。
「は?なんこれ?」と半分キレながらも、もう後戻りはできない…
この時点で結構キていました。
そこに被せたかのように「いいじゃん!最高の髪型じゃん!」とハイテンションで褒めちぎるカリスマ風ばあさん。
「どこがやねん!こいつのセンスどうかしてるわ」とか心の中でツッコみを入れていると、
「これでOK?」
・・・・・正直、ビビりました。リクエストした髪型になってることに謝りもせず、開き直り、かつ、明らかに不満そうな顔をしている自分に向かって、「これでOK?」のセリフを繰り出せるなんて、このババアにはただただ恐怖を抱くだけでした。
美容師と客の関係って客側が美容師にかなり信頼を置いていないとめっちゃしんどいなと初めて気づかされた瞬間でした。
「このババア、本気でこの髪型がいいと思ってんのか?やとしたら、こいつのセンスやべえ。でもここまで来たらあとには引けねえ。」と思いつつ、長髪にパーマをかけただけでボリュームがヤバかったので、さすがに「全体的にカットしてくれ」と頼みました。
カットの工程。30分かかりました。
「もう・・・・このババアのカット、クッソヘタクソやんけ!!」
切られながら、鏡を見てすぐにわかりました。しかも、カットの時間があまりにも長い。切っては遠くから全体を見るの繰り返し。「どんだけ時間かけんねん。ボケぇぇぇぇ!!!!」と最初の15分ははらわたが煮えくり返ってましたが、執拗に続けるババアのループ攻撃に、とうとう「怒り」から「呆れ」のフェーズに入ってしまいました。
露骨に白目を剝く僕。
それを見て、ババアは「あなた疲れているねえ。私も手の握力がもうないのよぉ。」とほざく。
「……んなん知らんがなあああああああああ!!!!はよ終わらせんかい!!!!」
と心の中で絶叫する僕。
しかも、ハサミを入れられていく髪の先は、全体的にガタガタ。本当に美容師免許を持っているのかと本気で疑うぐらい、カットのスキルがクソでした。
髪に入れる櫛に対して、垂直にハサミを入れるのがこれまで知っているカットの技術。
ここでは櫛に対して、水平にハサミを入れるので、絶対に切ったところが揃ってしまいます。(ドイツのほかの美容室でもそうらしい)
そうやって、ガタガタになっていく僕の毛先を見ることもできなくなって、最後の5分は本当に白目を剝いていました。
挙句の果てに、ガタガタの髪先を揃えるのにバリカンを使いだしました……
ハサミの意味って……
2時間30分かかって、最初のごわごわの陰毛の塊状態から20%ぐらいマシになりましたが、それでも陰毛の塊には変わりない状態。
そこでまたババアが満面の笑みでまた例のごとくほざきます。
「これでOK?」
もう、年数重ねすぎて、センスがいいのか悪いのか、判断がつかなくなってるのかとちょっと哀れに思いながら、
「いいわけあるかい!なんか整髪料とかないの?」とキレながら言いました。
整髪料を求めるものの、「どんな整髪料がいいの?分からないから見てちょうだい」と言われる始末。整髪料があるゾーンに歩かされました。
「親に切ってもらってるわけじゃないのに…なんやねんこれ…はぁ…もう疲れた…」
その場にあったジェルを陰毛の塊に自分で塗りたくってセットし、なんとかおしゃれな感じに決め込むことができました。この時点ですでにクソババアのセンスに付き合うことは辞めていました。何を言われても無視。まるで家で自分で髪をセットしている時間のよう。
そんなこんなで、18時に入店して、時計の針はもう21時を指していました。3時間もかかって出来上がったパーマヘア、いや陰毛の塊に対して支払いの時間。
昨日聞いていた通り、66€だろうと思っていたら、なんと請求額が96€。
…96€!96€!
これはさすがにおかしいと思って、
「え、どういうこと?昨日66€って言ってたやん?」
「あれはパーマ代だけの値段だよ。君がカットしてっていったから、追加で30€ね。」
一体どういうことなんだ。何が起きているというのだ?
あのクソ技術のクソカットに、30€も支払わないといけないのか?…
人は、美容室に行ったら、パーマだけをあてて帰宅するものなのか?
なぜパーマ代とカット代が別なのに、カットの前に追加でお金がかかることを言わないんだ?ていうか、普通カットするやろ。
もう、めちゃくちゃ混乱しました。あれだけ心を乱されたのに、まだ乱してくるのか!
いくら抗議しても値段は変わらないっぽかったので、精神的にも肉体的にも限界が近づいていたので仕方なく、ほんとうに仕方な~く、めっちゃ嫌そうな顔を敢えてして96€を払いました。
クソババアに満面の笑みを見せられながら、ようやく退店。
店内で起きた3時間のバトルを振り返りながらしばらく歩いていると、「怒り」を通り越した「呆れ」から来るものなのか、謎の笑みが浮かんでいました。精神崩壊の瞬間でした。
ドイツの美容室に行くと、こんな感じで精神と体力が削られます。くれぐれも気を付けてください。美容室に行くときは、事前に友達や日本人からのおすすめを聞いておくべきです。あと、カットだけならだいたいのお店が9€とか15€とかです。30€なんかしません。
少し高くても、旅行がてらにデュッセルドルフの日本人街で散髪してもらうのがいいと思います。
次、散髪するのが怖いよう……
KENGO
シュツットガルト&エスリンゲンのクリスマスマーケット
シュツットガルトのクリスマスマーケット
シュツットガルトのクリスマスマーケットはガイドブックにも書か
行く曜日は事前から日曜日と決めていました。
日曜日の朝10:35発のバス(Flixbus)に乗り、
KornwestheimからStuttgart Hbf(シュツットガルト中央駅)へはS4に乗って約10〜
いざ、中央駅前へ!
こっちに来てシュツットガルトに行くのは、
シュツットガルトのクリスマスマーケットは中央駅から少し歩いた
確かに規模はでかいんだけどー…
期待値上げすぎた感が半端なかったです。想像では、
ちょっと期待はずれ感あったものの、
ちょうどお昼頃になっていたので、
ただ、
くるみ割り人形も初めて実物を見ました。
一通りグルッと回ったあと、
半端ねえ!エスリンゲン、半端ねえ!
中央駅に辿り着き、Esslingen(エスリンゲン)へ。
Esslingenに着いて最初に目に留まったのがこの煙突。
エスリンゲンのクリスマスマーケットの正確な場所はあんまり調べ
マルクト広場(Marktplatz)
そしてその目玉のクリスマスマーケット。
夜になったらシュツットガルト中央駅のマーケットに戻るかという
散策しているとお腹も減ってくるので、途中でクレープとか甘〜
街散策してる時に城壁っぽいものが目に入ったので、
さっきまでいたところが一望。
城壁を登ってる途中、
帰りはEsslingenから中央駅乗り換えでKornwest
まとめ
・シュツットガルトの中央駅周辺のクリスマスマーケットは、
・クリスマスマーケットでシュツットガルトに行くなら断然エスリン
クリスマスマーケットの時期も丁度折り返し地点。まだまだ飲んだりまっせ!!
KENGO
ドイツの日本食事情
日本人ならちょっとは気になる海外の日本食事情。
えっ?寿司しかないの!?
カールスルーエで2ヶ月を過ごしてみてよく目にしたのは、「SUSHI」「
ただその見た目はあんまり美味しそうに見えないし、
よくよく見てみると、普通のスーパーストアでもお米や海苔は普通に売っていました!
「アジアの心臓」ってなんだよ!とツッコみつつも、なんとどちらも99セントとびっくり!
カールスルーエでも数少ないアジアンストアにも行けば、他にもお箸やまきす、うどん、そばの乾麺、キッコーマンの醤油、みりんなんかは売っています。電気屋に行けば、種類こそ少ないものの、炊飯器は24€で買えました。
こんなに寿司文化が進んでいるとは思ってもいませんでした…
むしろ、カールスルーエで日本食と言えば寿司しかないというのが現状です。
カールスルーエでの寿司体験
さて、こっちのお寿司がどんなもんか試してみようということで一度だけ、そのクソたっかい寿司弁当を買ったこ
食べた時の感想はうーん、なんだろうこの惜しい感じ。醤油が日本のものと違って甘みが足りない。
回転寿司にもトライしました。
ネタの種類も写真にあるようにある程度豊富であり、
サイズは手毬寿司ほどの小ぶりなサイズなので、
あとの日本食文化はというとカールスルーエではほとんど見当たりません。たまーに日本語の表記での看板が街中で目に留まったりしますが、大好物のラーメンはここでは食べられません。噂によると、そういう店ではうどんは食べられるようです。
デュッセルドルフは日本食がなんでも揃う
ラーメンが食べられなくなって2か月を過ぎようとしていた11月中旬。ドイツ人の友達に会いに行きがてら、ラーメンを食べにドュッセルドルフに行きました。デュッセルドルフは日系企業が集まる経済都市で、インマーマン通りには日本食が充実しています。このインマーマン通りを歩いていると、日本語表記、そして日本語が結構聞こえてくるせいで、日本にいるような錯覚に陥りました。そのぐらい「日本」です。
そして、当初の目的であったラーメンを食べに行くことに。
行ったところはラーメン匠(初代)。ドイツ在住の日本人の間では有名な店です。2号店の2代目匠もあったので、さぞかし儲かっているんだろうなと思いました。土曜日のお昼に行ったのですが、お店の中に入るまでに40分ぐらいは並んだような記憶があります。並んでいる人は日本人だけに限らず中国人、ドイツ人家族などなどここにはラーメン人気があるようでした。
待ちに待ったラーメン。
ああ・・・もう・・・とにかく・・・おいしい!(いま食べたい・・・)
2か月ぶりということもあったのですが、それがなくても普通に日本で食べてもかなりレベルの高いラーメンでした。値段はちょっと高めで11.8€とか(大盛り)でしたが、こっちでは頻繁に食べれるものではないし、このクオリティならありかなと思いました。
インマーマン通りには日本食レストラン以外にも日本食を売っているスーパーが3,4店舗ありました。
友達によると日本人が経営している所と韓国人が経営している所があるらしいです。
一応興味本位で全部回ってみました。もちろん値段は高いですが本当になんでも揃う。店での違いによって取り揃えているものが違ったりしたんですが(古本の小説を売っているところもありました)、まあ基本的にはどこでも同じ印象を受けました。
調子に乗って大好きな抹茶味のお菓子と「久保田」を買いました。ちなみにお酒の種類も豊富です。
日本食スーパーをあとにして、日本人がやっているパン屋さんにも行ってみました。
そういえば日本独自のパン文化ってあまり意識したことなかったですが、メロンパンもあんぱんもおかずぱんもこっちでは見かけたことないなあと気づかされました。こっちでは基本的に硬めのパンを使ったサンドイッチやらあまったるいパン、ピザ系のパンしかないです。
これまた調子に乗って抹茶あんぱんを買いました。(どんだけ抹茶中毒なんだよ(笑))
とってもおいしかったです。
まとめ
・カールスルーエではお米、海苔、炊飯器は普通に手に入るが、寿司以外の他の日本食文化はあまり浸透していない。
・回転寿司は食べ放題システムが基本
・おいしい日本食を食べたければデュッセルドルフへ行け!
仲良くなった友達とかパーティーで日本食を振舞おうと張り切ってこっちに来るときのトランクの
ただ、お好み焼き粉(1kg)、お好みソース、カレーのルー、抹茶系のお菓子とかはカールスルーエでは売っていなかったので、これらに関してはかなり重宝しています。
ちょうど昨日、ルームメイトのウズベキスタン人にお好み焼きを食べさせたのですが、
「なんだよこれ、うますぎるやないかい!!」
と絶賛していました。うれしい限り。
もっと日本食、特にラーメンがドイツにも浸透してほしいなあと思いました。
KENGO