KENGO's memo

日々の思考の備忘録、ドイツ、カールスルーエ研究留学・インターン体験記

Januaryは新始動の月

気づけば、カールスルーエでの生活も折り返し地点を過ぎました。

正直なところ、「過ぎてしまった」というのが正しいです。研究活動での成果もまだ文章にまとめることできてもなければ、もともと予定していた5月以降のインターン先もいまだに決まっていない状況で、ちゃんと手を打っているはずなのにそれでも感じてしまう「焦り」が常に頭の中にあります。

トビタテ修行計画の質向上ともどかしさ 

2016年10月の時点で計画していたインターン先の企業から正式に断りの連絡をもらって以降、2017年5月以降のインターン探しをしなくてはなりませんでした。が、10月はそれに時間を割くこともできないぐらい家さがしで奔走することに。ずっと滞在していたホテルに追い出されることもあり、毎日家さがしでサバイバルでした。11、12月は家に住んでからの生活に慣れることや役所関係の書類作業、それまでできていなかったビザの手続き本格化した実験の作業、そして年末旅行の準備など…という形であっという間に時間が流れてしまいました。

12月から改めてこちらでのインターン候補企業の情報をまとめたり、絞っていたりしたのですが、新年があけ、企業のインターンの目的ややりたいこと、できること、得たいことをもう一度考え直しました。それに伴って、企業でのインターン以外に、アジアでのフィールドワークを考えるようになりました。

きっかけは日本のNPO(APEX)がインドネシアで炭のガス化の実例をつくっているのを知ったことでした。炭のガス化は日本の大学の方でも行っている研究で、それがすでにインドネシアのある村で稼働し、発電し電力を供給しているというのです。これはおそらく世界初の事例で、今後インドネシア、フィリピンなどといった島嶼国での無電化地域の電力供給の仕組みを変える可能性があります。ほかにもAPEXではバイオマスガス化発電施設をNEDOやSATREPS(JICAとJSTの共同プロジェクト)といった機関から支援されたプロジェクトもやっており、以前から一度は現地で視察させてもらいたいなと思っていました。

そもそも、私の1年間のトビタテでの修行テーマは「欧州とアジアをつなぐ再生可能エネルギーのリーダーになる」であり、欧州とアジアでの再生可能エネルギー(特にバイオマスエネルギー)の環境・エネルギー政策、ビジネス、技術、コミュニティの変化など全般を理解することが今回の大きな目的でした。「欧州」での研究活動とインターン以外にも、もしAPEXでのプラントの視察ができることがあれば、「アジア」ので実例かつ自分の研究内容に酷似した世界初の事例を見るというのもテーマにそったものであり、この1年間の経験をより濃くするものだと確信しました。APEXのインドネシアでの視察は交渉中です。

・・・と思っていたら、この文章を書いている途中に展開がありました。4月までは予定が確定しないとのことで、留学期間中のフィールドワークは見送ることにしました。帰国前の8月下旬または9月に視察を考えたいと思います。

一方で、企業のインターンの交渉はというと、リストに上げた企業にいくらメールを出しても、全く返信が帰ってこない状況。たまらず、日本の大学の指導教官やこちらでの指導教官にも自分がいけそうなインターン先がないかを聞いたり、FB上ではトビタテコミュニティと自分のポストにもヘルプの状況を投稿しました。ビザの申請やトビタテの計画変更申請期限が2月末というのもあり、かなり切羽詰まっています。まるで10月の家さがしの状況に似ており、精神的にも詰められています。(実際のところ、体調も少し崩してしまっています。)早く5月以降の計画が定まり、研究にも本腰が入れられるように祈るばかりです。

・・・と思っていたら、またまた、この文章を書いている途中に急展開が!1か月前に連絡していたドイツのバイオマスガス化のメーカーから連絡がありました。会社でインタビューをしたいということなのでもしかしたらすぐに決まるかもしれません…1か月も温めるなよ~

研究

研究のほうはというと、新年が明けてから新たに行っていく実験装置の組み立てを行って以降、まだ新たな実験はしていません。去年やり残していたサンプルの分析を数回行った程度で、基本的にはオフィスの時間が長かったです。そして、つい先日、2月から4月末までの課題が与えられました。簡単な論文を書いて、4月の最後のセミナーの機会に10月からの内容をまとめてプレゼンをするという内容でした。これまで具体的な予定がないまま研究活動をしていたので、(その分、自分の調べごとに時間が割けていてよかった点もありましたが)向かうべきゴールの枠組みが決まって少しほっとしています。インターン探しのことはありますが、あとは淡々と実験と論文作成に身を投じていくことになりそうです。

私生活

私生活のほうは、筋トレや週末にブログ記事をしたためるのがもはや習慣になりました。前に比べて見違えるぐらい筋肉量が増えました。筋肉をほめながら毎日筋トレ&プロテイン摂取に励んでいます。ブログ記事を書くのは少し骨が折れますが、経験したこと以上の情報を得られますし、振り返って咀嚼してまとめるというのは気分転換にもなるし、週末の時間の使い方としてとてもいいなーと思っています。

英会話、ドイツ語の勉強にはPodcastを使うようになりました。正直、「なんでいままでPodcastを使ってなかったんやろう?」と後悔しています。オフラインでも英会話の勉強や好きなDJのラジオを聞けるというのがおすすめ!オンラインのときにあらかじめ気に入っているプログラムをダウンロードしておけば、オフラインのときにできることの幅が増えるので、かなり重宝しています。(ちなみにこちらでのキャリアは通常の10€のプランだとだいたいどこでも通信量は750MBぐらいまでしか使えないので、Wi-fiが使えないところだと基本的にオフラインであることが多いのです。)

ヨーロッパで人気のテーマパーク、EuropaParkというところにもカールスルーエ留学中の日本人4人で行ってきました。テーマパークのキャラクターがユーロマウス君というやつで、どこかで見たことがあるような風貌をしていましたし、要所要所でツッコみどころが満載のとても楽しいテーマパークでした。(まるで中国のパクリディズニーランドみたいな(笑))行った日は冬シーズンの最終営業日が翌日に迫っているということもあってか(それとももともとなのか)、どのアトラクションも待ち時間0分というとてもうれしいコンディション。パーク内で一番速いジェットコースターは2回行きました。そして、なんとVRのヘッドマウントをつけて楽しむVRジェットコースターもあって、体験してきました。これほど楽しいジェットコースターはない!とおもいましたがやっぱりVRは頭が痛くなる…それだけが難点でした。乗り物以外にも、ショーが充実していて、サーカスだったりジャグリングだったり、どれを見ても質が高かったのが印象的でした。カールスルーエからはバスで1時間20分程度で行けました。機会があればぜひ!

この間は、念願のブンデスリーガ1部、ドルトムントマインツの試合を見に、マインツにも行ってきました。マインツホームのOpelArenaで立ち見でしたが、サッカーの専門スタジアムの雰囲気、とても楽しめました。ドルトムントの香川は試合には出ずベンチで温存、マインツの武藤は先発出場、後半で途中交代しましたが、どちらも間近で見れて良かったです。

EuropaParkとブンデスリーガのことについては時間があれば書こうかなと思います。(早く年末年始旅行書き終えなくては・・・)

最後に

同期の就活の話も最近ちょこちょこ耳にします。みんなやっぱり大学院の授業に研究に就活にいろいろてんやわんやみたいで話を聞いていて大変さがものすごく伝わってきます。修士1年の夏からインターンなどに本腰を入れていた人たちもいるので、実質的にそのあたりから就活が始まっているという意識がある人もいます。(僕は夏前は授業と留学準備で奔走していたのでインターンの応募すらしていませんでした。)自分も本来ならこの時期に就活をスタートしているのかと思うと、大企業orベンチャーの選択だったり、業種も「エネルギー分野に関わりたい」というだけでまだまだ幅が広いので、同じようにてんやわんやしていただろうなと容易に想像できます。何事も経験してみないと判断できない性格なのでなおさら。

僕の就活は1年遅れますが、いろいろちゃんと準備していないと失敗するなあと思わされました。まだ就活モードに入るには早いですが(というかいろいろ経験しながらキャリアの幅を広げたり、絞ったりするのは常にしていますが)、やはり最低でも語学力のばすのはこっちでしっかりやろうと思います。

同期がどんどん次のステージに向かっていて、それを横目に、たまに、俺は一体ドイツに来てまで何をしているんだろう?とか思ったり、謎の「焦り」を感じたりしちゃうのですが、その度に「僕は全力で遠回りしながら夢を追っている」といつも思い至ります。(と思うことにしています。それが人生ってもんでしょ!)

自分に厳しく、夢に向かって、お互いに頑張りましょう!

 

KENGO

 

 

年末年始旅行⑤ スウェーデン編1日目

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。スウェーデンストックホルム2日間での1日目を振り返ります。

北欧のベネチアストックホルム

前日からVINKING LINEという船に乗り、ヘルシンキから船旅でストックホルムのある港に到着した翌日の朝。時間は現地時刻ですでに10時過ぎ。船内のご飯は少し値段がしたので、朝飯も食べず、ものすごいお腹がすいている状態でした。

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港について、手前にある絶壁にびっくりしながら、向こう側に見える綺麗な街並みの旧市街地(ガムラスタン)を眺めながら、近くのメトロの駅に着くまで歩くこと約15分、ずっと日本食のトークをし続け、僕たち日本人は3人とも一致して「ご飯もの」を食べるモードになっていました。そのうち一人はストックホルムの名門大学、KTHに交換留学をしている身で、今回のストックホルム滞在はその友達の家に泊まる予定になっていたのですが、「うちの大学に近くに、割とおいしいビビンバを食べれるところがあるよ?行く?」となり、朝昼兼用メシでビビンバを食べる事が確定しました。そうこうしているうちに最寄りの駅につきました。

通貨要らずの理不尽な改札システム(ストックホルムの通貨・交通事情)

ストックホルムのメトロ、便利なところと不便なところがありました。最近は日本でもちょこちょこ券売機でクレジットカードが使える場所が出てきましたが、まだまだ現金だけしか受け付けてないところが多いですよね?(関係はないですが、新幹線の予約システムだってほんまにややこしくて、僕はいまだにみどりの窓口で買ってます)現金しか受け付けてないのは、外国人旅行者にとっては結構面倒なシステムだなあと思っていますが、欧州では基本的に券売機でもクレジットカードが使えます。進んでます。ストックホルムももちろんそうでした。

もっと言うと、スウェーデンの通貨はユーロではなく、スウェーデンクローナという通貨で両替が必要かなと思っていたのですが、両替しておく必要は全くありません。なぜならどんなところでも、たとえコインロッカーであってもクレジットカードが使えるからです。驚くべきことに、これから綴る2日間では一切スウェーデンクローナを手にしていません。

唯一、現金が必要なところが「公衆トイレ」を利用するときです。いくらか忘れましたが、スウェーデンクローナの硬貨を入れないと扉が開かないというシステムが大体どこでも導入されています。お店に入るとそのようなものがなく普通に使えるところもありますが、一度だけお腹が痛くて大事故を起こしそうなときに駆け込んだマクドナルドではコイン式のトイレでとても危なかったです。ただ、中に人が入っている場合、扉が閉まる前にトイレに入ることができればコインを投入する必要はありません。僕はなんとかコインなしでトイレに駆け込むことができました。

話はかなり脱線しましたが、メトロの券売機ではクレジットカードが使えるという良い点がある反面、Suicaのような磁気カードを購入して、そこにチャージしないと改札を通れないというわけわからんわポイントがあります。紙の切符はないのかと駅員に聞くと、普通の切符はあるけど(たしか75分ぐらい有効)、24時間利用券を買うなら基本的には磁気カードにチャージしなくてはならないというのが分かるまで20分ぐらい駅員と券売機と格闘していました。

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よーく見たら券売機の上の看板に書いてありました(笑)どうやら、改札システムが先進的すぎて、磁気カードをかざすタッチパネルしかなく、日本のように紙の切符とタッチパネルが併設されている改札ではないので、磁気カードを買わざるを得ないみたいです。(アプリはあるみたいでしたが、アンドロイドのみのアプリっぽいです)

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普通の切符以外に、お得な値段で24時間、72時間、1週間チケットがあります。

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で、駅員のところで磁気カード+24時間利用券を購入。磁気カードに24時間利用のデータを入れてもらった状態で、135クローナ(24時間利用券115クローナ+磁気カード20クローナ、135kr=約1800円)をクレジットで支払いました。もちろんこのカードはドイツに帰ってしまえば何の意味もありません。あと、これ自体にお金がチャージされるわけではないので、Suicaのように電子マネーとしてどこかで使えるというわけでもないようです。このカードでは、ストックホルム市内で定められているゾーンでのメトロ、バス、トラムで使えました。

僕はストックホルムでの滞在中、この24時間利用券に加えて、2日目に空港に行く際に24時間利用券がギリギリで切れてしまっていたために、追加でCゾーンにある空港まで行くチケット(普通の75分有効券)を100kr(約1300円)で購入しないといけませんでした。75分券と比べても24時間券がいかに便利で安いかわかりますよね?24時間券を購入する時間、利用する時間をうまく考えれば、不必要な費用を抑えることも可能です!

「これは勉強したくなる」(KTH スウェーデン王立工科大学)

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腹ペコの御一行はビビンバを求めにメトロでKTHに行きました。KTHはスウェーデン語で「王立工科大学」という意味の”Kungliga Tekniska Högskolan”の頭文字を取ったものです。日本ではスウェーデン王立工科大学として知られており、世界でも理工系総合大学でランキングが上位の大学です。同じ理系の学生としては少しはその環境を知りたいなと思っていました。でもそれがこの旅のメインではなかったので、メトロの駅から近い入り口周辺にある図書館に潜入しました。

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その大学に交換留学している友達の話では、図書館の地下スペースで毎日お昼にその日に決められた言語で話すLanguage Cafeというイベントがあるらしく、今日の言語を見てみると「ドイツ語」でした。ただ、驚いたのは、世界各地で話されている言語で、スペイン語スウェーデン語、中国語、ドイツ語、フランス語、英語と並んでいる中に「日本語」があったこと。どういう経緯で「日本語」が開催されるようになったのかとても気になります。

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中の雰囲気はとても広く、明るく、そしておしゃれ。これは勉強意欲がとても刺激されます。ぐるぐる回りながら北欧だなあーと感心させられました。

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ここで集まって年越しをするという広場にも行きました。歴史ある建物な感じでこれまためっちゃ雰囲気がある… 図書館のほうもそうでしたが、昔の建物の外観は残しつつ、内部をリノベーションするというのがとてもうまいなあと思っていましたが、こんなモダンな建物も発見。

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あえて錆びた感じ出した建物で、建築系の建物らしいです。

絶対迷子(旧市街地ガムラスタン Gamla Stan)

なんだかんだで12時ぐらいにようやく例のビビンバをがっつき、そのあとにKTHを離れ、ガムラスタンへ向かいました。ガムラスタンがある場所は、本土に挟まれた小さな島(スターズホルメン島)で、島一帯がきれいな街並みをしています。”Gamla Stan”はスウェーデン語で「古い街」を意味し、その街の発祥は13世紀にまで遡ります。島であるので辺りは海?川?に囲まれ、港も多いことから、まさに水の都。北欧のベネチアと言われる所以はここにあります。そして、魔女の宅急便の街のモデルにもなっています!知らなかった!

ガムラスタンの最寄りの駅から徒歩でぐるぐる街歩き。適当に歩いていると手元に地図があったとしても、自分がどこにいるか分からなくなります。お土産屋さんに入ったり、海関連の骨とう品が並んだ店に入りながら、市内で最も狭い幅が1メートル以下の公道"Marten Trotzigs Gränd"(モーテン・トリチグス・グレン通り)を目指しつつ、ノーベル博物館に向かいました。

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路地好きな僕としてはこういう狭い公道とかは、その時代のこととかに思いを馳せたりしながら通るのが楽しみの一つなんですが、落書きがひどくてちょっと萎えました。確かに狭いけど…なんかな…みたいな。ランプが頭上にあったので、夕方になったころに行った方が趣が出ていいと思います。

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細い路地に、石畳に、ほどよい明りのランプ。実際に夕方に街をぐるぐるしているとこんな感じの光景がたくさん見れます。これぞヨーロッパって感じです。

人類の進化を支える叡智の集合(ノーベル博物館)

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ノーベル博物館がある場所の広場は建物の色合いと良い、一番きれいで皆が写真を撮っていました。

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そしてこちらがノーベル博物館。かなり質素で、よーく見ないと気づかないかもしれません。入場料70kr(約900円)を払って中へ。館内はWiFiが飛んでいて、館内のオーディオガイドは各々のスマホを使ってくださいねというシステムでした。スマホ持ってない人には不便なシステムかもしれません。北欧は本当に進んでます。もちろんネットも使えます。

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天井には歴代のノーベル賞受賞者の顔写真が吊り下げられていて、それがコンベヤーで館内の天井を流れていく仕組み。年代順で流れてくるとかではないのでほとんどが分からない人でした。

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入ってすぐのスペースには2016年度のノーベル賞受賞者の功績が紹介された映像と受賞者の似顔絵が展示されていました。オートファジーの解明でノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅先生も発見しました。床にはノーベル賞メダルと同じ、ノーベルの肖像が埋め込まれてあります。

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奥に行く通路の真ん中には、10年区切りでその10年の間の代表的な出来事と代表的な発明品が展示されており、タッチパネルでその10年間の受賞者の紹介が見れたりもしました。それぞれの年代でちらちら見ていたのですが、自分の全く知らない功績であったり、いまでは当たり前になっている技術などが展示されているのは勉強になりました。

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奥のスペースの真ん中はサイエンスコミュニケーションスペースになっており、館内のスタッフが子供たちに科学の楽しさを伝える実験ができるようになっていました。その左右には、ノーベル賞のなかでもいま重要な、注目すべき技術や科学の解明についての映像、実際に使われた実験装置のレプリカなどが展示されていました。中の売店にはノーベル賞メダルチョコ、ポストカードなどのノーベル賞関連グッズが売っています。

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入口まで戻ろうとしていたら、入口から入って右手のほうにも展示コーナーがあったので見てみると、ノーベル賞授賞式典かなにかで座ったらしい椅子の裏に化学、物理学、生理学・医学、文学、平和、そして経済学の各賞受賞者のサインが書かれてありました。椅子も計6つです。大隅先生のサインはどうなんだろうとみてみると・・・

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「インク滲んどるやないかい!」という残念なサインを発見。ここで不思議だったのが、他の5つの椅子はそれぞれの賞で2016年の受賞者だけの構成だったのに、大隅先生のサインがあった生理学・医学のところは2015年に同賞を受賞した大村先生ほかのサインとともに書かれてあったことでした。大隅先生の大村先生へのリスペクトの表示なのか、同国の人が連続で受賞したときにはそうすることが慣例なのか、または大隅先生がおっちょこちょいで書いてしまったのか…真相は不明ですが、会う機会が0ではないので会った際には聞いてみようと思います。

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ノーベル賞のメダルは3種類あります。左は物理学、化学、生理学・医学、文学賞のメダル、真ん中は平和賞、右は経済学賞です。経済学賞は正式には「アルフレッドノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」というそうで、ノーベルの遺言にもノーベル財団にも関係がなく、ノーベル没後70年、国立銀行300周年の記念に1968年に設立されたものだそうです。ノーベル賞の選定は、物理学、化学、経済学賞はスウェーデン王立科学アカデミーが、生理学・医学賞はカロリンスカ研究所スウェーデン)、文学賞スウェーデンアカデミー、平和賞はノルウェー・ノーベル委員会によって行われます。そのため授賞式は平和賞のみ、ノルウェーオスロの市庁舎で行われ、その他5部門はストックホルムのコンサートホールで行われます。平和賞以外は授賞式のあと、ストックホルム市庁舎で晩餐会・舞踏会が行われます。

他の展示は、授与式や晩餐会での装飾品、ドレスなど、ノーベル賞を支える品々の展示がありました。毎年10月に発表され、世間をにぎわすノーベル賞ですが、意外と知らないことが多かったです。そこまで大きくない館内でしたが、興味を引き立たせる展示物ばかりでめちゃくちゃ楽しめました。

あと少しの差で…(ストックホルム市庁舎)

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このおじさんの右側に見えるのが、ノーベル賞の晩餐会・舞踏会が行われることで有名なストックホルム市庁舎。日も暮れ出したころ、ノーベル博物館にいったあとに行こうと言っていた市庁舎に行こうとのんびりしながら歩いて向かいました。市庁舎を目の前にして、ツアー受付のデスクが見つからないという謎の事案が発生…無駄に市庁舎を一周して、ようやく受付を見つけたときにはすでにその日のツアー時間が終了していました。その差10分。デスクを見つけるのに15分以上は無駄にしてしまっていたので、ヘルシンキでの失敗を活かせず、「またやん…」とめちゃくちゃ凹みながら、仕方なく翌日に行くことにして帰路に帰りました。(翌日の早朝には友達一人が空港に行かないといけないこともあって、一緒に行けなくなったのもより凹みました)

メトロのアート(メトロの各駅)

この日はそのまま友人宅に行き、キムチ鍋をして終わったのですが、ストックホルムのもう一つの名所?についても紹介したいと思います。それはメトロの駅のアートです。ガイドブックにもいろいろ載っているようですが、以下に僕が気になったところを載せていきます。

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いまとなってはどこの駅の写真だったか忘れてしまいましたけど、マリオカートレインボーロードを思わせるエスカレーターだったり、ある駅では天井までびっしり描かれています。駅ごとにテイストが違うので、なんのテーマで描かれているのか?とか考えながら改札に向かう時間も楽しかったです。

次は2日目にして、ストックホルム最終日。1日目に行けなかったストックホルム市庁舎、そして17世紀最大の旗艦にして、不運にも処女航海にて沈没してしまったVasa号が展示してあるVasa博物館に行きました。その話は次回!

 

KENGO

 

 

 

年末年始旅行④ フィンランド編最終日

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。フィンランド3日間の最終日を振り返ります。

最終日はヘルシンキ

初めての本場のサウナ体験をして、タンペレでの1日を満喫した翌日。フィンランドは最終日になりました。

タンペレを出て、電車で1時間半、昼前にヘルシンキに着きました。ヘルシンキに戻ってから、16時半のスウェーデンストックホルム行きの船の乗船時間まで、1日目に行きそびれていた場所を観光することに。

行きそびれていたのは、カンピ礼拝堂、岩の教会(テンッペリアウキオ教会)、そしてロシア正教ウスペンスキー寺院。そして一緒に旅行していた友達が「おいしいと噂のやつ!」と調べていたのに食べそびれていたKANNISTON LEIPOMOのシナモンロールを食べに行きました。

たまご型の空間(カンピ礼拝堂 Kampin Kappeli)

事前に調べていた情報サイトでは「カンッピ教会」とか書かれてたりしましたが、その場でもらったパンフレットには「カンピ礼拝堂」と書かれてありました。ドイツ発祥のプロテスタントルター派の「礼拝堂」らしいのですが、そもそも「教会」と「礼拝堂」の違いが分からなかったので、調べてみました。

(知っておきたい宗教雑学①)

「教会」―― 宗教を同じくし、その教えを守り伝えようとする人々の団体。また、その教えを述べ、礼拝儀式を行うための建物。ただし、宗教活動の拠点となる建物・施設の場合は、「聖堂」や「礼拝堂」、「神殿」などと呼ぶ方が適切。

あれ?「聖堂」という概念が全く分からん…

「聖堂」―― キリスト教での礼拝施設の名称。ミサ・聖体礼儀などが行われる建物。プロテスタント教派ではこれに相当する施設を教会堂などと呼ぶことが多い。カトリック教会の司教区で、司教の座席が設けてある中心的な聖堂は「大聖堂」と呼ばれる。

「礼拝堂」―― ①宗教施設の構内において、主祭壇を囲む主たる礼拝空間「聖堂」とは別個に内部もしくは外部に存在する、副次的な礼拝空間。②教会の所有ではない礼拝空間(チャペル)③信仰的な理由で「聖堂」という表現を用いない教派(プロテスタント)の礼拝空間。

③の理由で「礼拝堂」という表記になっているんだと思いました。こんな感じで説明しておきながら、区別して表現して書くのはなんか面倒なのであまり気にせずに続けていきたいと思います。ちなみに北欧諸国では国民の大半がルター派らしいです。

前置きが長くなりましたが、カンピ礼拝堂はヘルシンキ中央駅から徒歩5分。礼拝堂といいつつ、「これは本当に礼拝堂なのか?」というアート感がすごい外観をしています。

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中ももちろん現代アートみたいな不思議な空間でした。

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そこまで大きくないですが、僕らのような観光客でまあまあの人でにぎわっています。おもしろかったのが天井の形はたまご型だということ。さらに、実はこの建物は3種類の木材でできており、外壁は特殊なワックスでコーティングされたトウヒ、内壁はハンノキ、そして建具と内扉はセイヨウトネリコで作られているそうです。「礼拝堂」というよりは、ヘルシンキの建築家、銀細工師、織物アーティストが作り上げた一つの作品として楽しめる場所だと思いました。

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これはカンピ礼拝堂のある広場にあったオブジェ。これもよーくみたらたまご型。カンピ礼拝堂となにか関係がありそうでしたが分からないままです。

コンサートホールにもなる?(テンッペリアウキオ教会 Temppeliaukion kirkko)

その次に行ったのはテンッペリアウキオ教会。岩をくりぬいた中にできた空間の教会で、これまたカンピ礼拝堂と同じく全然教会らしくないのが面白いです。教会の作り自体も面白いのですが、僕が個人的に面白いと思ったのが、その教会のある場所。周辺が円形状に建物に囲まれた中に、一枚岩?の大きな岩があり、その岩の中に教会がある。かなり不思議な空間になっています。

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中の様子はというとこんな感じ。コンサートも行われるという教会なので、祭壇?ステージ?が大きいのが特徴的でした。天井の茶色の部分は銅板を重ねられたものでとてもきれいです。木の年輪みたい…

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ちなみに教会の上部である岩のほうにも上れます。1時間ぐらい、結構のんびりした時間を過ごしました。にしても、周辺が普通の住宅街の街並みなのに、ここだけかなり大きい岩がむき出しで存在していたのには不思議でした。

偶発のアート(HAM ヘルシンキ市立美術館)

テンッペリオアウキオ教会から、さあこれからお昼を食べようとヘルシンキ中央駅付近に向かって歩いていたところ、「HAM」という文字と、ドット柄のおしゃれなポスターが並んだ建物が見えてきました。「お、これは美術館だな」と思い、時間はそこまでなかったので中の展示を見に行くことは考えていませんでしたが、「美術館にある雑貨を見るのは楽しそうやなー」と中に入ってみました。

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”Art is popcorn for the brain." 「なるほどなあー」と感心しながら、雑貨を見に2階に行くとそこにはかなりの行列が。どうやらここは、ヘルシンキ市立美術館で、いま草間彌生の企画展が行われていました。(草間彌生を知らない人は調べてみてください。日本を代表するアーティストです。ドット柄を扱うことが有名で、誰もが一度は草間彌生の作品を見たことがあるはずです。)そのとき、ようやく建物の外にあったドット柄のポスターの意味が分かりました。草間彌生展を観たい気持ちはあったのですが、時間がなかったのとあまりにも盛況で人が多かったので行くのはやめにしました。

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1階には参加型のインスタレーションが展示されていました。カラフルなシールを最初は真っ白な部屋に張り付けていくという、気軽で自由でとても面白い作品。以前にもこれと同じインスタレーションをしていたようです。

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偶発性の楽しさも味わえ、僕たちも何枚かシールを貼りました。

おいしくてお腹いっぱい(KANNISTON LEIPOMOのシナモンロール

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中央駅付近まで戻ってきて、念願だった?KANNISTON LEIPOMOのシナモンロールを2.30€で購入しました。本当はこのあたりで座ってのんびりしたかったのですが、KANNISTON LEIPOMOの店内は小さなカウンターと2人組が座れるテーブルが1, 2個しかなかったので、シナモンロールはあとでどこかで食べる事に。

結局、このあと乗るViking Lineの船の中で食べましたが、甘さも丁度でとてもおいしい。かなり大きかったのでこれだけでかなりお腹が膨れました。

短すぎる開館時間(ウスペンスキー寺院 Uspenskin katedraali)

シナモンロールをゲットし、昼ご飯を別の場所で済ませ、これから乗船するストックホルム行きのViking Lineの乗船時間16:30まで時間がまだ少しあったので、そのまま港に向かいがてら、フィンランド最後の観光場所としてロシア正教ウスペンスキー寺院に行きました。

(知っておきたい宗教雑学②)

ロシア正教」は教派名としては正しくなく、正しくは「正教会 (Orthodox church)」であり、「ギリシャ正教」や「東方正教」とも呼ばれることがある。正教会の組織は国名や地域名を冠した組織名をつけることが慣例であるが、キリスト教の一つの教派としての「正教会」の同じ信仰を有している。11世紀ごろにあった東西教会の分裂によって「東方教会正教会)」と「西方教会カトリック教会)」が大きく分けられ、のちに16世紀の宗教改革によってカトリック教会から「プロテスタント」などの教派が生まれている。

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時刻は16時を回る手前、ウスペンスキー寺院に向かって中央駅付近から歩き出しました。道中、街中のパフォーマーをちょっと見たり、写真を撮ったり、再びヘルシンキ大聖堂を横目に見ながら、1日目に訪れたエテラ港へ辿り着きました。その時がだいたい16時ちょっと過ぎ。その時刻にはもう陽が沈んでいることもあって辺りは暗くなっているのですが、ウスペンスキー寺院のシルエットははっきり見えています。

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少し丘になったところに建っているので、ようやく頂上について教会を前にした写真をパシャパシャ。しかし、ほかの観光客は写真を撮り終えたら続々と帰っていってます。ロシア正教の教会の内部は豪華絢爛な装飾でとても有名なのに中を見ないなんて「なんでやろう?」と思いながら、建物の中への入り口を探すも見つからず…

「あれ?」

やっと見つけたドアのところにあった貼り紙には、

月曜 休館日

火曜-金曜 9:30-16:00

土曜 10:00-15:00

日曜 12:00-15:00

との情報がありました。「いくら、宗教施設であって観光場所じゃないからと言っても、さすがに17時までは開いているやろう」と高をくくってたのが大外れでした。まさか16時閉館だったとは…早すぎる…

結局中には入れず、事前に開館時間を調べておくことの大切さを思い知らされました。ほんと、時間がない旅は準備が一番大事だなあと思います。

人生初の豪華客船?(Viking Line)

そんなこんなで、ウスペンスキー寺院の中に入ることがなかった分、少し時間に余裕を持ちつつ、16:30より前には乗船場所に到着できました。船が出る時間は17:30だったのですが、1時間前から乗船が開始されるようです。

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船を正面から撮る時間もできたのでパシャリ。かなり大きく、1階から8階まであり、まるで水面動くマンションです。豪華客船とはこんな感じなのか!とか思いつつ、これまで乗った船の中で最大でした。でもこれでも一人30€以下。宿泊費とヘルシンキ-ストックホルム間の移動費が含まれていると考えると格安です。(ご飯は別です)

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船場所の建物に入り、1階で事前に予約していた番号を発券機に入力。乗船券を手にしました。厳密に言うと、この乗船券は部屋のカードキーです。

乗船してからすぐに船内探検へ。船内には宿泊用の部屋以外に、22時ぐらいまで営業しているサウナ、生演奏が聞けるバー&クラブ、スロットマシンコーナー、子供向けの映画館、ビュッフェスタイルのレストラン1件とオーダー式のレストラン数件、レストランではない食堂が1件、そして免税のスーパーがあり、そこでは服から時計、香水、電化製品、お酒とおかしが手に入ります。免税店の雰囲気は空港によくある感じと同じです。ただし残念なことにガッツリご飯を食べようと思うとこのスーパーでは足りません。レストランでご飯を食べようものなら、1食20€は軽く超えます。ビュッフェスタイルの方はもう少し高かったイメージです。荷物チェックはなかったので、可能であれば食べ物は外から持ち込んでしまったほうが良かったなあと後悔していました。ちなみに外にも出ることができました。夜風にあたりながらヘルシンキの明かりを見るのはいいなあと思っていましたが、風も強くずっとガクガクブルブル。すぐに中に戻りました。自分たちの泊まる部屋は4人部屋で、壁に吊り上げられたベッドが4つありました。ネットの環境はというと、部屋では全く使えなかったのですが、ロビーや食堂付近ではところどころでWifiが飛んでいてネットが使えました。

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夕飯の時間になり、昼過ぎに買っていたシナモンロールをほおばるも、こんなの夕食にならん!ということでレストランよりもまだ安い食堂のほうでサンドイッチを夕食に買いました。もちろん、スーパーのほうではビールを購入。お腹いっぱいにはなりませんでしたがそれで夕食を済ませました。ちなみにフィンランドの通貨はユーロ、スウェーデンの通貨はスウェーデンクローナで異なるのですが、船内では両方の通貨が使えますし、もちろんクレジットカードも使えます。

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そのあとはバーにいって片手にグラスを持ちながら、生演奏を聴きながら、ストックホルムの観光プランを話し合いながら、身体がノッテきたときには踊ったりして、その日の夜を過ごしました。夜は結構時間を持て余していたので、トランプとか持ってきていたらいい時間つぶしになったなーと後悔。

朝、起きた時にはもうストックホルム。乗船して初めて気づいたのですが、スウェーデンフィンランドは1時間の時差があります。その時差と事前に聞いていた到着時間にちょっと混乱しながら、部屋にあるめちゃくちゃ狭いシャワーで昨日の酔いを醒ましました。

下船してからの話は、スウェーデン編で書くことにします!

 

KENGO

 

 

 

 

年末年始旅行③ フィンランド編2日目

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。フィンランド3日間の2日目を振り返ります。

2日目はタンペレ

1日目にヘルシンキ大聖堂、スオメンリンナ島と行ってきたわけですが、2日目はヘルシンキから北に電車で1時間半、内陸に位置するフィンランド最古で最大の工業都市タンペレ(Tampere)に行きました。

タンペレの事前の情報収集として、とても参考になったのがこの記事タンペレ大聖堂、スパイ博物館、ピューニッキ展望台、タンペレマーケットホールと、この記事を見て、タンペレでのターゲットをロックオンしました。 

そして、フィンランドに行ったら絶対に行ってみたかった公衆サウナについては、この記事で紹介されているラヤポルティン・サウナ(Rajanportin sauna)がたまたま定休日のようだったので、別のサウナ、ラウハニエミサウナ(Rauhaniemen kansankylpylä)に行くことに。ラウハニエミサウナの情報についてはこちらを参考にしました。

不気味な雰囲気の教会(タンペレ大聖堂)

タンペレ駅についてから、まず最初にロッカーに荷物を預けました。4€で3人分の重い荷物をぶち込み、タンペレ大聖堂のある北方面へ徒歩で向かいます。徒歩で約5分ぐらいです。

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タンペレ大聖堂を正面から見たらこんな感じ。左右非対称が特徴の教会となっています。

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柱や側面の壁には薔薇の絵が描かれ、天井には蛇、そして教会の右奥の壁には骸骨の絵。大聖堂の中の様子は普通の教会とはかなりテイストが違っていました。こんなんいままで見たことないです。

意外とすごい変わり種博物館(スパイ博物館)

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タンペレ大聖堂からそのままスパイ博物館(Vakoilumuseo)へ。タンペレ駅からは歩いて12,3分ぐらいで行けます。(たぶん)川を渡ってすぐのFINLAYSONの建物が目印です。

「スパイ博物館」と名前だけ聞いたら中二病感がすごいですが、そんなちゃっちいものではありません。施設はそれほど大きくはありませんが、本格的にスパイの歴史、人物、使っていた機器、道具や武器などが展示してあります。

入場料は6€。ただし、館内の写真撮影は追加で5€を払わないといけませんでした。嬉しかったのは、日本語表記の説明文が載ったファイルが借りられること。が、途中から展示物に表記されている番号とファイル中の説明文の番号とがずれていて分かりづらくなっていたのは残念でした。

ファイルの後半は各国の有名なスパイの逸話も書かれていたりします。ジェームスボンドのモデルの一人であるシドニー・ライリーについても書かれていました。他のスパイで、二重スパイや三重スパイにもなっていた人の紹介の中には「自分がどちら側の人間か、そして自分が何者か分からなくなる」と口を揃えてセリフを残していたようです。本当に映画の世界だなあと思いながら眺めていました。

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暗号機、盗聴器、武器、取り調べ機器などの展示物以外にも、体験コーナーもちょこっとあります。ベルリンにあった諜報機関の秘密の通路を再現していたり、当時のボイスチェンジャーや暗号作成・解読なんかも体験できました。

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あ、ちなみに忍者もいます。説明書きも壁のほうにありました。忍者も言われてみれば確かにスパイ。他の国にもこういう存在はありそうなのに、ソビエト連邦やイギリスなどのスパイに交じって「忍者」がピックアップされてるなんて、海外の忍者人気はNARUTOだけじゃないってことですね。

なんだかんだで1時間半ぐらいはいました。とても興味をそそられて楽しかったです。

展望台チャレンジ失敗!(ピューニッキ展望台)

冬の北欧観光は日暮れの時間も計算しておかないといけません。昼ごはん後は日が暮れる15時前にピューニッキ展望台に行ってタンペレ市内を一望することに。事前に調べた展望台の最寄りのバス停に行くバスを探しに近くのバスターミナルに行きました。

・・・が、問題発生。バス停に貼ってあるバスの路線図がめっちゃくちゃ分かりにくくて、どのバスがその最寄りのバス停に行くのか分からず…一応、地図上の地名と照らし合わせて、そちらの方向に行くバスに乗りました。バスの運転手にも行き先を確認したので大丈夫だろうと思っていたら、まさかの500mぐらい先のそのバスの終着点。混乱しながらとりあえず3人ともバスを降りましたが、辺りには展望台らしきものはなく、完全に3€をドブに捨てました(笑)

もう訳が分からないまま、遠くのほうに見える展望台らしき建物に向かって、寒空の中歩く一行。ただ、その建物も近づくにつれ、そこに行くルートを見つけることができなくなり、日も暮れてきて、途中で行くのを断念。無駄に30分ぐらい歩きました。結局、どこがピューニッキ展望台だったのかも分からず、展望台チャレンジ失敗。とりあえず、最初にバスに乗った場所付近まで歩いて戻りました。あーさむっ。

 ムスタマッカラの悲劇(タンペレマーケットホール)

その足で向かったのはタンペレマーケットホール。肉屋さん、野菜屋さん、魚屋さん、パン屋さん、カフェといろんな商店が屋内のホール内に並んでいます。そこのカフェは小さいながらも雰囲気があっていい感じ。ようやく暖が取れる環境になったのでぶらぶら。(言うても外は風が強かっただけで気温は5℃ぐらいはあるという奇跡のコンディションでした。-10℃とかでなくて本当に良かった。)

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このタンペレマーケットホールに来た目的は、事前に調べていた記事の中で出てきた謎の「黒いソーセージ」を食べる事。その名前は「ムスタマッカラ(mustaa makkaraa)」。それを探し求めて肉屋さんを2,3店舗グルグル回るもののショーケースの中にはありませんでした。

「ここでしか食べられない珍しいものらしいし、なんとしても食べてみたい・・・」

これは直接聞いた方が早いなと言うことで、店の人に聞くと、「あーそれはあそこの肉屋にあるよ」と即情報ゲット。「やっぱ聞いた方が早かったわ」と消極的な日本人体質を反省しつつ、さっそくその店に行って注文しました。肉屋のおっさんがショーケースではないところの発泡スチロールの箱の中からおもむろに1本取り出し、計りに乗せます。そしたらなんと値段が0.95€。「え???マジか!!!そんなにも安いん???」とか思いながら、何も不思議には思わず購入。(売店でおいしいソーセージとかをドイツで買っても2€ぐらいはします。まして北欧、なんでこんなに安いのか。)

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「この場で食べますー!」というと肉屋のおじさんが紙皿とプラスチックのナイフとフォーク、そしてなぜかベリー系のジャムと一緒に出してきました。

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よーく見ると、その店舗の柱にムスタマッカラとベリー系のジャムが一緒に描かれたポスターがありました。「あ、これが完成系なんやな」と思いつつ、さっそく一口ほおばります。

口に入れた瞬間に広がる「罰ゲーム」感…内部の肉?を包む表面の皮の硬さといい、中の肉?なのかなんなのか分からない物体の口触りといい、それら全体のなんとも表現しづらい味といい、これはパクパク食べれるもんではないなと思いました。(個人的には昆布の煮物に近い味を感じましたが、おいしいとは感じませんでした)せっかく乗っけられたベリー系のジャムと一緒に食べても、ジャムとムスタマッカラが口の中で確実に喧嘩していて、「ジャムの意味…」てな感じでした。全くマッチしていない組み合わせ・・・

ムスタマッカラ自体の味のあまりの衝撃に、そこに来て、ようやくこの「黒いソーセージ」についての正体をネットで調べ出しました。(いや、調べてなかったんかい!!)ちなみにホール内は無料のWi-Fiが使えたはずです。(うろ覚え)

調べて判明したのは、なんとこの黒ソーセージの「黒」は血が酸化した色、肉らしき中身の正体は肉として販売できない「内臓などのミンチ」ということでした。つまり、ムスタマッカラは屠殺されたあとに残った、普段は流通しない「あまりもの」を凝縮した一品ということでした。「道理で0.95€だったわけだわ」と納得する一行。他の2人もチャレンジしましたが、残った3分の2は自分の胃袋に入っていきました。

口直しといってはなんですが、そのあとにカフェに入って、のんびりしました。

フィンランドの真骨頂、サウナに行ってみよう!(ラウハニエミサウナ)

フィンランドでのハイライトは間違いなくここでした。銭湯、温泉文化におなじみのサウナ!ここでの経験をきっかけに、これまでのサウナという概念を完全に覆されることになります。

まずサウナに行く前の準備。こちらがラウハニエミサウナの公式ホームページ(英語)です。なんと1929年からあるそうです!!すごい!!サウナ自体は男女共有で水着は必ず着用します。そして、バスタオルも持参です。もし水着やバスタオルを持っていなかった場合、どうなるのかはわかりません。(サウナの受付で聞くのを忘れていました。すいません。)営業時間は平日(金曜以外)は15:00-20:00、金曜15:00-20:30、週末13:00-20:00で、毎日やっているようです。料金は大人一人6€、7-14歳は3€です。

次にサウナへの道のりについて。駅前のバス停から2番のバスに乗ります。2番のバスがラウハニエミサウナに行く唯一のバスです。気を付けたいのが下りるべきバス停について。この2番バスの終着点はRauhaniemiというところです。ここで降りるとサウナには行けますがちょっと遠くなります。降りるべきバス停は、バスの終着点から再びバスが市内方向に出るのを待って、折り返した次のバス停のRomsinlahtiです。このバス停はバスが市内に戻る方向にしかないバス停になっています。

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僕たちはバスの運転手にサウナに行くことを告げ、バス停の場所を教えてもらったのですが、お互いに誤解していて、一度Romsinlahtiを通り過ぎてしまったので、再び2番バスに乗る羽目になりました。ただ、3€のバスのチケットは1時間有効なので再びチケットを購入する必要がなくてよかったです。

サウナがある湖の方向へRomsinlahtiから歩いて約10分。駐車場を超え、薄暗い林の中を突き進んでいくと簡易な作りの建物が見えてきます。

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そしていきなり目に飛び込んできたのがこの光景。わかるでしょうか?凍っている湖の中に入っていく階段。そしてその上にいる人たち。テレビでみたり、噂に聞いていたサウナと湖の往復をしている人たちを間近に見て、一気に興奮しました。

サウナがあるらしき建物に入ったり出たりする人、建物の前で水着一丁で休憩している人、湖に入っていく人、結構な数いました。サウナにいる人も含めて、約50人ぐらいはいたかと思います。

最初受付がどこか分からず見逃していましたが、小さな窓がある小さい建物の中に入ると受付がありました。ここで貴重品も預けられました。お金を払わずにもしれっと更衣室やサウナに入っていけそうでしたが、そこはちゃんと一人6€払いました(笑)

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この日の湖の水温は1℃。いままでほぼ真っ裸の状態で1℃の水に浸かったことがないので果たしてこの後どうなるのかドキドキ。

更衣室で水着に着替え、全員が集まっているサウナに入ります。ちなみにサウナ室は湖に近い側と受付に近い側で2つありますが、湖に近い側のほうが広い作りになっています。

サウナ室に入っていくと、3段の雛壇になっていて、人がぎっしりいました。扉の向かい、一番奥に蒸気が出る熱い部分があります。そこの近くに座っている人が5分おきぐらいに水を注ぎ入れ、室内を熱します。水を注ぐこと、そしてバケツに水がなくなったら外に汲みに行くことは何も言わずに皆が自主的にやっています。暗黙のルールというやつですね。自分たちも何度か水を注ぎました。ちなみにサウナ室に入る手前にはシャワールームも4室ほどあり、シャンプーなどを持参していれば終わりにここでシャワーを済ますことも可能です。

中には僕らと同じように日本人の人もいたりしましたが、ほとんどがローカル民といった印象を受けました。ちょこっと話を聞くと、毎週2回はここに来ていると言っていました。サウナの入り方については湖に入っていくこと以外は日本と特に変わったことはないようでした。

そして、身体がアツくなってきていよいよ湖へ行くことに。まず外に出た瞬間に一気に寒気に襲われます。それに加えてこの日は強風が吹き荒れており、余計に寒い。湖のほうでもっと強い風を受けつつ、悲鳴を上げつつ、とりあえず前の人にズンズン付いて行きます。階段をゆっくり降り、足先から入っていくのですが、腰まで来るとさすがにヤバさを感じました。とりあえず体を肩まで沈めて1回目のトライは終了。湖から上がり、サウナへ戻る道では体中を針で刺されているような感覚で気が狂いそうになりました。

すかさずサウナ室へ戻りました。サウナ室に戻って体の表面の感覚が戻るまで2,3分はかかりました。1℃の水で縮まった毛細血管が広がっていくのが分かります。でも、このあとからの感覚が不思議なもので、一度冷めたはずの体が内側から温まっていくのが感じ取れました。サウナ室では蒸気で表面から熱されいてますが、内側の熱はどこから来るのか。

変な感覚を覚えながら、2度目の湖トライ。次は頭まで冷水に浸かりました。頭まで浸かると一瞬で意識が飛びそうになりました。念のため掴んでいた湖にかけられた階段の手すりを離しかけそうになりながら、ギリギリのところで這い上がり、再び全身を針で刺された状態でサウナ室へ戻りました。頭まで行くとマジで危ないですが、ローカル民は普通にやってのけていました。すごい。

そんなこんなで計4回ほど往復して、営業終了時間と同時にサウナを後にしました。本場の交互浴(サウナ↔湖)を体験し、体の生理機能が高められたのか、それまで手袋がなければ耐えられなかったのに、手袋なしでも過ごせる身体に進化しました。確実に実感できます。ちなみにこの寒さに強い身体になった効果は自分の感覚としては1週間ぐらい続きました。いままでサウナに入る際に水風呂に入っている人を不思議がっていましたが、今後はちゃんと交互浴をすると思います。自分の中のサウナの概念が変わった体験でした。

トナカイとビーバーを食らう(HARALD)

この日の夜がフィンランド最後の晩飯ということで、奮発して北欧料理を堪能しました。評価が一番高かった「HARALD」というレストランへ。だいたいのメインの料理が最低20€はするところでしたが、僕はどうしてもトナカイ肉を食べたかったので、40€するプレートを注文しました。

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芋の量が多くそれだけでも結構お腹がいっぱいになりそうでしたが、念願のトナカイ肉も食べる事ができました。トナカイは癖もなく柔らかくて結構おいしい印象を受けました。この串刺しになっている肉の中にトナカイ肉に加えてビーバー肉もありました。「ビーバーなんか食べるんか!」と驚きましたが、普通においしかったです。

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トナカイ肉、もう一度食べてみたいなあ…

フィンランド2日目、とても堪能しました。是非、皆にも交互浴を奨めていきたいと思います。次はフィンランド編最終回です。

 

KENGO

年末年始旅行② フィンランド編1日目

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。今回はフィンランド3日間の1日目を振り返ります。

1日目はヘルシンキ

早朝からバス移動、フライト移動×2で少しくたくたな状態で13時にヘルシンキ空港に到着。北欧での旅行を共にする、学部時代の同期で同じく留学中の身である2人の友達と無事に合流できました。空港からヘルシンキ市内へ行くバスを探し、バスターミナルのほうへ。バスの運賃は5.50€。自販機がありクレジットカードで支払えました。ヘルシンキ中央駅周辺まで20~25分ぐらいでした。*チケットは90分有効です。

がっつりヘルシンキを観光するのはこの日しかなかったので、そのままヘルシンキ大聖堂、世界遺産スオメンリンナの要塞に行くことに。

ヘルシンキにそびえたつ白いシンボル(ヘルシンキ大聖堂)

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まずはヘルシンキ大聖堂。この日は快晴。青々とした空をバックにヘルシンキ大聖堂を見ることができました。(というか北欧滞在中はなぜか天気が良く、気温が8℃という日が続きました)少し高いところに建っているんですね。階段の段数は思ったよりもありましたが、頂上に来たとき海方向への眺めが良かったので思わず写真を撮っていました。

美しいサンセットバルト海(エテラ港&スオメンリンナ島)

そのあと、フェリーでスオメンリンナ島へ行くために、まずはエテラ港へ。f:id:kengosmemo:20170116041340j:plain  f:id:kengosmemo:20170116041630j:plain

フェリー乗り場(エテラ港)はヘルシンキ大聖堂から歩ける距離にあります。エテラ港では市場が開かれているそうですが、この日は12月26日でクリスマスの祝日だったからかやっていませんでした。

写真のようなエテラ港のあるあるな光景?を目にしつつフェリー乗り場を発見。(右の写真は駐車場にあるポールなんですが、カメの甲羅に棒がぶっ刺されているのはさすがにどこかから抗議が来てそう)フェリーは12時間有効パスで5€でした。これもクレジットカードでも買えます。

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運良くフェリーが来ていたので待ち時間なく即入船。

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15分でスオメンリンナ島に着くのですが、ちょうど夕暮れ時(なんと15時!)だったので、バルト海のきれいな景色が見れました。(風めっちゃ強かったですが)

事前に少しだけこちらを参考にしてスオメンリンナ島の観光情報を調べていました。スオメンリンナ島でひそかに楽しみにしていたのはクラフトビールが飲める醸造所併設のレストランであったりしたのですが、祝日のためにやっていませんでした。残念。

スオメンリンナの要塞(Fortress of Suomenlinna)はスウェーデン=フィンランドロシア帝国に対する守りを目的として、1748年に建設が着手されたらしいです。世界遺産には1991年に登録されました。

島内には住民もいるようで、ところどころに民家がありつつ、開けた道をずんずん進んで島の先端に来るころには砲台と要塞の城壁が現れてきました。改修工事をしているのか、島が浸食されているのか、ところどころに立ち入り禁止の柵もありました。

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島の一番端っこ、砲台が並んでいるほうから撮った写真がこんな感じ。下の写真の奥に見えているのが砲台の穴もある城壁です。…しかしめっちゃ眺めが良い。場所的にもここが軍事的に大事にされた場所ということが良くわかりました。風がかなり強かったのはありましたが、童心にもどって冒険気分を味わえたのはめちゃくちゃ楽しかったです。

このスオメンリンナ島、夏にはヘルシンキ民にとっての憩いの場所になるそうですが、かなり納得しました。都市からちょこっと離れて、余裕のある広さの芝生となだらかな丘がたくさんあり、のんびりするにはもってこいの場所。僕が行ったときにはさすがにそんなところに寝そべっている人はいませんでしたが、こんな場所が住んでいるところの近くにあれば毎週通いたいなと思ってました。

本土に帰って、ホテルにチェックイン。スーパーで買い込んだビールを冷蔵庫に入れ、晩飯を求めにホテル周辺を散策し行くことに。

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しかしながら、さっきから何度も言っているように、この日は祝日。事前に調べていたレストランは全滅でした。その日の間に日本食トークを何度も炸裂させていた僕らは、いつの間にか頭の中によぎっていた「ご飯もの」を求めて、北欧初日の夜に、まさかの中華料理屋に入るのでした。

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2日目に続く。

 

KENGO

年末年始旅行① 移動手段&費用おさらい

2016/2017の年末年始旅行で8泊9日フィンランドスウェーデン→イタリアと巡ってきました。

今回はその長距離の移動手段&費用をさくっとまとめました。

ドイツ(カールスルーエ)→フィンランドヘルシンキタンペレ)→スウェーデンストックホルム)→イタリア(ベネチアミラノ)→ドイツ(カールスルーエ)のいずれかのルートで旅行に行く人の参考になればよいなと思います。

空路

今回の旅行での空路はAir BerlinのOpen jaw flightを使いました。

Open jaw flightのいいところは、ドイツのどこかの都市から出て、旅行先からドイツのどこかの都市に帰ってくれさえすれば、他の航空会社で片道ずつ飛行機を予約するのに比べて費用をかなり抑えられる点にあります。また、その逆も然りで、違う国からドイツのどこかの都市に入って、ドイツのどこかの都市から別の国に行くというのもありです。ドイツを中心にして(または経由して)違う国を巡りたい人、または、ドイツ国内を巡りたい人にとってとても良い仕組みです。

行きはシュツットガルト→ベルリン(1h15m)、ベルリン→ヘルシンキ(1h50m)

帰りはストックホルム→ベルリン(1h35m)、ベルリン→ミュンヘン(1h15m)

で、乗り継ぎ時間はどちらも1時間程度でした。フライト代は約320€(約34000円)でした。出発の約2か月前にフライトを抑えましたが、もっと早く取ればもう少し安くなったと思います。

空路以外の長距離移動

その他の長距離移動は以下の通り。すべて事前にネットで予約できました。

カールスルーエ(中央駅)→シュツットガルト(空港)

Flixbusのバス、移動時間55分、7.96€。フライトが7:30でしたので早朝に5:15のバスに乗りました。朝早くから走っていることがとても良いです。

ヘルシンキタンペレ

フィンランド国鉄VR高速鉄道、行き帰りどちらも移動時間1時間30分。1人25€+21€で46€。

ヘルシンキストックホルム

Viking Lineという船。16:30乗船、17:30ヘルシンキ発、翌日10:00ストックホルム着で3人で88€でした。(これに関しては友達が予約したので内訳は分かりません。4人部屋を取ると88€ということかもしれません。)

ミュンヘンベネチア

Flixbusの夜行バス。8時間30分、60.19€。飛行機に比べると断然安いし、宿代も浮くと考えるとリーズナブルでした。

ベネチアミラノ

Trenitaliaの高速鉄道、2時間、29.90€。

ミラノカールスルーエ

Flixbusの日中バス。12:15ミラノ発、16:10チューリッヒ着。18:00チューリッヒ発、22:00カールスルーエ着で約55€。イタリアからスイスを突っ切ってドイツへ向かうので途中とてもきれいな景色が楽しめます。昼便ならではの楽しみですね。スイスのチューリッヒで2時間バスの乗り継ぎ時間がありましたが、バスターミナルがチューリッヒ中央駅近くだったのでカフェなどで時間を潰せます。ただ通貨がスイスフラン、そして物価が高いということもあって、カフェには入らずスーパーでチキンとビールをクレジットカードで購入しました。

トータルコスト

事前に予約した長距離移動の費用は合計約550€でした。

移動時間が気にならない旅ならバスを有効活用することをお勧めします。上に書いているようにバスはめっちゃ安いです。ただ、一番安いのかというとそうでもなかったりします。たまーにバスや鉄道よりも飛行機のほうが安いということも起こるのがヨーロッパ。ryanairはその格安航空の代表ですね。

 

ちなみに・・・上に列挙した長距離移動費に加えて、旅行先での移動費、宿代、食費、お土産等々を含めたトータルの費用は約1120€(約14万円)でした。

船での1泊、ストックホルムは友達の家に泊まったことや夜行バスなどもあったので、ホテルでの宿泊日数は5泊のみでした。ホテルも基本的にかなり安いところを攻めているので1泊あたり20€程度、トータル100€で済んでいます。 

ということは、食費、お土産で470€ぐらい使っていることになりますね・・・

感覚としては北欧、そしてベネチアは物価が高いのに夕食だと20€は超えるぐらい使ってましたし、寒い中、毎日13kmぐらい歩いていたからか、店内に入ってスイーツを食べたり、お茶をする回数も多かったので、これは仕方ないと言えば仕方ない出費ですね。

 

…てか14万も使ったんかぁ

使ったなあ…

 1月からしばらくは節約生活です。

 

さて、お次はフィンランド編。

 

KENGO

 

 

 

Decemberはハプニングの月

12月に入り、寒さが一層厳しくなりました。年の瀬で、結構いろんなことがありバタバタしていて、何をしていたかあんまり思い出せなかったのですが、手帳を見ながら振り返っていたら結構ハプニング尽くしの1か月だったなあと思います。

研究

内容的には11月の延長で特に変わったことはしてなかった印象。ひたすらサンプルを分析にかけ、連続反応させている触媒の実験で扱っている実験装置の状態を毎日、定期的に確認し、状態が良くなければ調整、帰るときには反応を一時的に止めた状態にして帰宅するというルーティンをこなしていました。

詳細に分析するところは別の研究ユニットの人に頼んでいたので、新しい結果が届いたりしましたが、特に面白い発見はありませんでした。今後も同じような展開が続きそうです。

作業系はほぼルーティン化してきたので、作業しない時のオフィスワークが結構大事になっていると思うので、論文を読むことはもちろんのこと、研究分野の触媒技術の細部だけでなく、触媒以外のほかのガス精製技術の比較、バイオマスガス化プラント全体の技術・コスト、アジア市場の需要動向などバイオマスガス化の全体が見渡せるようになっていたいですね。

 

生活

12月に起こったプライベートでの内容をだらっとフラッシュバック!

クリスマスマーケット遠征(シュツットガルト、エスリンゲン)

12月4日。詳しくはリンク先で紹介しています。近場で行けてとっても良かった。

 

・ドイツの銀行口座の開設チャレンジ

12月5日。ドイツでは日本と違って銀行口座を作ると、口座維持手数料として毎月数€を払わないといけないんです。「学生」であることが証明できれば、口座維持手数料は無料になることが多いらしいですが、自分の場合は残念ながら学生の身分ではないので、口座を作るのに余計な手数料はかけたくない!

ということで口座維持手数料がかからないComdirectというネットバンキングの申請を行いました。他にも無店舗型のネットバンクはあります。詳しくは参考のリンク先を見てください。口座維持手数料がかかるのは店舗を構えている銀行が多い一方で、ネットバンクはほとんど手数料はかかりません。作った上で口座を使わなくてもいいのが気持ちとしては楽です。

そもそも、銀行口座が必要になったのは、スポーツジムに通おうと考えて入会の手続きを聞いたことからはじまりました。月々のジムの利用料は銀行口座から引かれるらしく、銀行口座を持っていない者は入会できないと言われました。おい、なんでやねん!

それ以外に銀行口座が必要になる場面には出くわしていないのですが(家賃は現金手渡しだし…)、ジムの入会以外にもこういう理不尽なこと起こりそうだなってことでとりあえず申請することにしたわけです。実を言うと。

で、ネット上で申請が終わった後、自分が記入した内容が印刷された書類が1週間以内にComdirectから送られてきます。(or 自身で申請時に書類を印刷することも可能)

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こんな感じの書類が一式。ちなみにドイツ語で書かれているので内容は全く分かりません。念のためドイツ語ができる友人に確認してもらったあとに次のステップに移りました。(一緒に届く書類の中にも手順が記されています)

届いた書類と個人確認ができるもの(パスポートとか)を持って郵便局に行き、個人確認ができれば、郵便局のスタッフに受理され、無料でその書類をComdirectのほうに送ってくれます。

 

ここで僕はつまずきました。

 

残念なことに唯一持っている、そして一番強いであろう個人確認のパスポートが使えませんでした。理由は「出生地が確認できないから」の一点です。そうなんです。日本のパスポートには「本籍地 Registered Domicile」しか示されていないんです。他の国のパスポートには確実に示されているものなのに…訪れた郵便局のスタッフに「日本では出生地の情報はあまり重要でないし、本籍地と出生地は同じもんだからお願いしますぅ」と懇願したものの受理されませんでした。

なのでいまだに銀行口座を作れないでいます。緊急に必要な状況ではないのですが、急に必要になるときが来そうで、早く手を打たなくてはいけないと思っています。

【参考】

DJ-Finanz ドイツのネットバンク比較

 

大惨事、ドイツでの散髪&パーマ

 12月9日。これに関しては書いていたら長くなってしまったので、別のエントリーでみっちり書いています。3か月伸びた髪が陰毛の塊ヘアーになるまでをお届けします。

 

カールスルーエ日本人会飲み

ちょうど僕の髪型が陰毛の塊みたいになった日の夜に、カールスルーエにいる日本人の人たちで飲み会をしました。KITの博士課程、ポスドクの人に囲まれて、けっこうくだらない話ばかりして盛り上がりました。中だるみしだして緩んでいた研究のモチベーションがちょっとだけ上がりました。 

 

・ZKMにはじめていく

12月10日。カールスルーエのシンボル的施設、ZKM(Zentrum für Kunst und Medientechnologie)にルームメイトのウズベキスタン人のヨハン君と行ってきました。

メディアアート現代アートが楽しめるということで行ってみたのですが、この施設は複数の展覧会が同時に開催できるほど大きな規模であって、建物ごと、その建物の中でもフロアごとに違う展覧会をしているのが興味深かったです。自分が行った時も、計4つの企画展を見ることが出来ました。(常設展がどれなのかちょっと分からなかった)

ドイツの建築家のフライ・オットーのThinking by Modelingという企画展では、テントのような膜構造を多様に用いた万博やミュンヘン五輪での建造物の記録であったり、膜構造の発想に至るまでの試行錯誤の記録、膜構造を構成する梁やガラス、設計された建造物のミニチュアの展示などがありました。建築が専門の人だったらかなり興奮するような内容だったと思います。

ほかには、あまりにも現代アートすぎて良くわからなかったやつと、1945年から1968年のヨーロッパのアート集めたやつとか、ゲームの企画展もありました。昔のゲームから最新のゲーム、チームラボを彷彿させるようなインタラクションゲームに至るまでとても楽しい内容でした。

 

・KITでクリスマスパーティー

12月15日には、自分が所属している研究所のクリスマスパーティーがありました。14時ごろから今年一年の研究所での出来事・進捗、大学組織の中で変わったこと(諸連絡?)などのプレゼンが1時間ほどあり、そのあといつもセミナーを行っている建物でクリスマスパーティーが開かれました。

ホットワインとおかしをつまみながら雑談。17時ごろからはビュッフェ形式のご飯、ビールが出てきました。研究所のメンツでもユニットごとにテーブルが勝手に分かれて固まってしまっていて、新しく知り合いになる人もおらず、周りは全員30歳以上、雑談も基本ドイツ語なので入っていけないもどかしさを噛みしめていました。

英語で雑談するのは苦手なわけではないのですが、英語での雑談以上に、年上の人たちとの距離の詰め方がつかめないので、研究所の同じユニットの中ではあまり話さないキャラになってしまっています。(日本語であっても向こうから来てくれないと結構難しいところ…)

クリスマスパーティー」と言っても、日本で言うと、「忘年会」に近い感じを受けました。もちろんプレゼント交換とかもないです(笑)

この日を境に、みんなの研究活動が徐々に止まっていくのが分かりました。まあ、研究の内容的にも2~4週間で活動することを考えると当たり前なことのように思います。

自分も実験室でなく、オフィスにいる時間が増えたので、インターン先の候補の企業の情報を集めたりしていました。

 

・ビザ(residence permit)の申請書類提出

12月19日。ビザなし滞在期間あと10日のギリギリでようやく外国人局でビザの申請書類を提出&申請費用100€を支払ってきました。予約しないと外国人局でのビザ申請ができないと知ったのが11月中旬ごろ。その時点で予約状況はパンパンで12月19日が最速でした。本当に危なかった。

申請書類を提出しさえすれば、紙状の仮ビザをもらえます。自分の場合は6か月先までの有効期限を有した仮ビザを発効してもらえました。パスポートとともに所持し、ビザの有無を聞かれた場合はそれを見せればいいというわけです。安心して年末年始の旅行に出ることができました。(結局のところ、年末年始の旅行でビザの有無を聞かれる場面には遭遇しなかったですが。EUすげえ。)

ビザ取得に至るまでの話は、また別のエントリーに書くことにします。

 

・オーロラ撮影のためにカメラ購入

かねてからオーロラを見たかった僕は、それを写真に収めたいと考えていたので、クリスマスのバーゲンにつられてカメラの購入を検討しだしました。どうせ、年末年始に北欧とイタリアに旅行に行くし、もうこの際買ってしまえということで、カメラのあれこれを調べ、かさばらず、それでいてオーロラが取れるSony Cybershot DSC-RX100を購入しました。

RX100はレンズの絞り値(F値)が1.8を有している唯一のコンデジで、値段も一眼やミラーレスに比べても安かったのと、自分がいま持っているコンデジも故障が続いていたのが相まって、購入を決断。その日に旅行者向けの三脚も購入。(三脚がないとオーロラは撮りづらいらしい)

さっそく年末年始の旅行で活躍するのですが、購入後1週間程経った12月31日にベネチアの石畳に落として壊すという、厄年が終わる最後の日に溜め込んでいた厄年パワーを発揮し、無駄な出費を重ねるのでした。おしまい。

RX100は現在修理中。オーロラを見るのにアイスランドに行くことも計画中。

 

・年末年始旅行 with 出身大学メンツ

12月26日から1月3日までの9日間、北欧はフィンランドスウェーデン、そしてイタリアと年末年始旅行に行きました。

この旅のポイントは、留学中の同じ日本の大学の学生だけで回ったということ。北欧の期間は、学部の同期と3人で巡り、イタリアは先輩たちと3人と巡りました。意外とつながる留学中のネットワーク(笑)そして日本語が話せる楽さ。同時に同じ留学生の身でありつつ、それぞれがそれぞれの留学先でやっていることの話に、とても刺激を受けて、新年から頑張るぞという意識が強くなりました。

どの場所も行ったことがない場所で、特に、「初の海外年越し in ベネチア」は最高の思い出になるだろうなと計画段階からワクワクしっぱなしでした。

でも、なにより思い出に残っているのはフィンランドでの「サウナ体験」でした。

「サウナ」自体には親しみがあるものの、本場のサウナを知らないのはもったいないということでフィンランドへ出発する前に急遽行くことを決断。皆に「一応水着持って着といてね!」と伝えつつ、公衆サウナがあるかどうかを調べ、タンペレで公衆サウナに行く計画に。(ヘルシンキにも公衆サウナはありますが、運悪く自分たちのスケジュールに合わなかったので断念しました。)

サウナであったまった身体を、外気温-2度、冷たい風が吹き荒れるなか、水温1度の湖に体を沈めに行き、再びサウナに戻るというクレイジーな体験は、自分のなかの「サウナ」の概念を確実に変えました。

4回ぐらいサウナと湖を往復し、帰るころには皮膚の表面は確かに冷たいと感じるのに、内側に熱がたまっている不思議な感覚がありました。

この日を境にして1週間ぐらいは本当に寒さに強くなりました。寒いと感じるのは表面だけで芯まで冷えることがなくなりました。サウナパワー恐るべし。これからハマりそうです。

結果的に良くも悪くもたくさんの思い出ができたのでとってもハッピー。iPhoneが教えてくれたのですが、この9日間毎日平均13km、トータル126kmも歩いていたことに驚きました。(歩きすぎだろ(笑))

フィンランド編、スウェーデン編、イタリア編で忘れないうちに綴りたいと思うところです。

 

それではまた!!

 

KENGO